許諾なく要約してKindleで販売する行為 Publidia #28
KOCの優勝は見事でしたね空気階段、Publidiaです。
今回は、前回予告していた内容と変えて、悲しい内容を見つけたのでそれについて書きたいと思います。
# ファスト映画の書籍版が発生、しかし、、
10月3日、知り合いであもるinuroさんのTwitterで以下のようなツイートがされた。
その流れから、本を要約して7分で読めるという電子書籍がAmazonのKindleで発売されていることを知りました。(リンクはあえてはりません、というか貼れません)
最近ちまたにあふれている、書籍を図解しました!というアカウントもそうですが、私の理解ではいわゆる翻案権の内容にかかってくる案件だと思う。
著作権者に許諾をとってないのであれば、アウトだと考えている。
また、著作物である表紙も複製している点でいうと複製権も関わってくる話だと思う。
さて、この話題にあがった「瞬読7分」であるが、ざっと調べると32冊が「ビスマルク美術出版」という出版社から出ている。
この出版社自体は法人名での検索を法務局などのシステムで検索したが出てこないので、単なる個人の屋号だと思われる。
このビスマルク美術出版からは、織田慎太郎ともう1名から著書から電子書籍が出ている。もう1名は、その本人のnote上にて、ビスマルク美術出版から著書を出したと書いてるので、織田慎太郎という人物とは別人だと考える。
さて、この瞬読7分というシリーズですが、どういう本が扱われているのか、リストアップしてみる。
○超加速経済アフリカ
○ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる、あなたが伸びる学び型
○論理的に考えるってどうすればできるの?
○ボイステック革命: GAFAも狙う新市場争奪戦
○「すぐやる人」と「やれない人」の習慣: 意志の強さはあまり関係ない!
○決断力: 誰もが納得する結論の導き方
○1分で話せ: 相手の右脳と左脳を動かす
○USJを劇的に変えた、たった一つの考え方: 成功を引き寄せるマーケテイング入門
○プロセスエコノミー: あなたの物語が価値になる
○半歩先を読む思考法: 現代を生き抜け
○Three Happiness 精神科医が見つけた3つの幸福: 最新科学から最高の人生を作る方法
○習慣超大全: スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法
○考え方: 人生・仕事の結果が変わる
○アウトプット大全: 学びを結果に変える
○INSTAGRAM: 野望の果ての真実
○ダイエット最強の教科書: 医者が教える 20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方
○「向いている仕事」を見つけよう: 「人の役に立つ12の資質」から自分の強みがわかる
○「後回し」にしない技術: 「すぐやる人」になる20の方法
○ユーザー中心組織論: あなたからはじめる心を動かすモノづくり
○無(最高の状態): 無我によって私たちはどのようになるのか?
○変える技術、考える技術
○FREE.FLAT.FUN: これからの僕たちに必要なマインド
○45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気: 昼スナックママが教える
○不安な時代をどう生きるか: あなたの未来はきっとよくなる
○「スルーされない人」の言葉力: 印象に残る・心をつかむ・YESを引き出す
○感情マネジメント: 自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生み出す
○新版 ミーニング・ノート: 1日3つ、チャンスを書く進む道が見えてくる
○超一流の雑談力: 一流の雑談は人もお金も引き寄せる
○プロジェクトマネジメント: 外資系コンサルタントが教える
○ビジネスゲーム: 誰も教えてくれなかった女性の働き方
○日本を最速で変える方法: 福岡市長 高島宗一郎の
○HAPPY STRESS: ストレスがあなたの脳を進化させる
正直、かなり売れているビジネス書が対象となっている。
もし、この書籍の著者が許諾を出していないのだとしたら、出版社や著者が対応すべきである。また、この内容が本の要約サービスのflierからスクレイピングした内容をまま電子書籍化したのでは、という疑いもあるようである(未確認事項ではあるが)
と、書いたところであるが、実はこの電子書籍は2021年10月4日の13時ごろで全てKindleストアから消失している。
ただし、まだこの問題の電子書籍を発行しているビスマルク美術出版のアカウントは残っており、他の電子書籍も発売されている。リンクは貼らないが、有名芸能人の写真を表紙につかっており、肖像権なども問題がありそうにも感じる。
しかし、このような問題が起きるのは、「電子書籍」だからではない。
自己出版ツールであるKindle Direct Publishingなどが、公開後に事後的に人の目でのチェックが入ってるとは思われるが、プラットフォーム側と発行ユーザとの規約で、著作権侵害をしていないことを条件に発行している流れであるからだと、考える。
また、プラットフォーム側も正式には著作物(今回でいうと電子書籍)が許諾を得ているかどうかはわからない。判断ができない。
本来的には、技術的には怪しいものを判断してそれなりの対処を行うことは可能だとは思う。しかし、いまだにAmazonがそこに本腰を入れないのには不満が残る。YouTubeなどはそこを対処している部分はあるが、Amaoznは本気でやらない、もうやらないのかなと感じる。
また、この要約の流れで本の要約サービスflierが名前が挙がっているが、flier自体は著作権者に許諾をとりながら要約を進めている。適法に事業を進めている。
本件を調べていく中で他にも要約して電子書籍の販売を行なっている人物も発見した。Amazonで「要約」で検索していくとちらほら出てくる。
その中には、著者ページがあり、多数の無許諾と思われるビジネス書を要約した電子書籍を発行している人物も見つかるが、その人物のTwitterを見るとフォロワー数が数十人レベルなところに何か物悲しさがある。
また、冒頭に書いた、ビジネス書を図解しました、というTwitterアカウントが人気を集めており、その手法を紹介した情報商材の販売サイトBrainでも見つけることができる。
https://brain-market.com/u/afila/a/bMDNygTNgoTZsNWa0JXY
ちなみに、この情報商材が7月ごろに出た模様で、瞬読7分は8月上旬から1冊目「瞬読7分 超加速経済アフリカ 」が発売となっており、ハイペースで9月下旬まで32冊程度出ていたようである。
最近、図解や要約ブームが出てきたのは、この情報商材の影響なのか、、、よくわからない。
この図解ブームや要約ブームであるが、出版社もどう捉えているのかは気になっている。
Twitterでバズってる図解などが販促につながっているという気持ちがあり、放置しているのだとしたら、少しぐらいは動いたら良いのではという気持ちがあります。
# 編集後記
KOCは過去最高の回でしたね。
個人的にはニューヨークが好きだったので、悔しい気持ちでしたが、当の本人たちの悔しさをファンクラブの動画や、翌日の生配信でも見たので、M-1を期待したいと思います。
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。副業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。
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