スマホで記事を開くと3分の1が広告だった 大手新聞社も業界基準の広告量を上回る Publidia #278
今週もよろしくお願いします。
🔸 お知らせ
本ニュースレターでは取材や執筆継続のために、サポートメンバーを募集しています。
サポートメンバー向けの記事も月1更新しています。
📻 音声配信のお知らせ
Spotify、Apple Podcasts、LISTENで聴くことができます。
最新回は#56、以下になります。
# 🚩 トップニュース
情報漏洩関連、打てる手立ては?
NewsPicksは10月8日、業務用管理ツールへの不正アクセスで、氏名や住所、勤務先、クレジットカード番号の一部などが漏洩した可能性を公表した。LINEヤフーも9日、「DS.INSIGHT」関連のコミュニティ「DS.LAB」利用者1750人分の情報が委託先への不正アクセスで取得された可能性を発表。電子書籍ストア「コミックシーモア」も15日、外部からの不正アクセスの可能性が高いとしてサービスを停止した。(NewsPicks)(日本経済新聞)(オリコンニュース)
セキュリティアップデートを適用しないまま、古いフレームワークを使い続けているケースも目立つ。セキュリティ製品による対策以前に、基本的なアップデート管理が問われている。また、吉野家は自社システムに対して海外IPからのアクセスを遮断するという対応も行っている。この方法も万全ではないが、そうした対策を行う企業も出始めている。
AIライセンス契約の枠組みを作る連合体
AIライセンス契約の共通基準づくりを目指す出版社連合「SPUR(スパー)」に、ニューヨーク・タイムズ(NYT)を含む40以上の媒体・団体が新たに加盟した。The Atlantic、The Economist、AFPなどが名を連ね、日本からは日本新聞協会も加わった。
加盟数は20カ国以上の80に達する。SPURは今年2月にGuardian、Financial Times、BBCなどが立ち上げた連合で、今月初めには、AIエージェントやモデル開発者によるコンテンツの取得、生成時の参照、引用、表示、ユーザーのクリックや共有といった利用状況を記録し、パブリッシャーに報告させるオープンソースの計測標準を公開している。NYTは2023年12月にOpenAIを提訴した一方、2025年5月にはAmazonとライセンス契約を結んでいる。同社幹部は、著作物の保護基準をテックプラットフォームが一方的に決めるべきではないとしている。(Press Gazette)
スマートニュース上場延期、身売りの可能性模索していたと報道
ニュースアプリ運営のスマートニュースが、東京証券取引所への上場時期を10月から12月に先送りしたことがわかった。ブルームバーグが10月15日、関係者の話として報じた。同社は早ければ10月の上場を前提にIPO準備を進めていたが、その間に会社売却の可能性も探っていた。しかし求める企業価値で買い手が見つからず、改めて12月の上場を目指すことになったという。目標とする時価総額は約500億円とされる。2021年の資金調達時に評価額20億ドル(当時の為替で約2100億円)をつけていたことと比べると大幅に低く、投資家の評価との隔たりも指摘されている。
AIの急速な発展や市場環境の変化が逆風となっており、上場までの道のりは今後も難航する可能性があるとしている。(RTB SQUARE)
# 🗾 国内ニュース
メディアの役割はトピックの提供 コミュニティーの形成には全体設計が必要(朝日新聞 Business Hub)
吉本興業とSBIが業務提携 コンテンツ開発、海外展開(47NEWS)
外部サービスからnoteの記事作成・管理が可能に。法人向けに「note API」の提供を開始(note株式会社)
新gTLD申請、日本からも多数 講談社「.manga」、東映アニメ「.anime」、ドコモ「.docomo」など(ITmedia NEWS)
AIの「答え」が詐欺の入口になるとき(コモンファクト 古田大輔)
新聞購読率、初めて5割下回る 内閣支持率は外交・物価高で評価二分―新聞通信調査会(時事ドットコム)
【動画プロデューサー】ダイヤモンド社の豊富なコンテンツを武器に、新たな動画事業をつくる(株式会社ダイヤモンド社)
ローソン、店の日常1分ドラマに 10〜20代ファン育てる(日本経済新聞)
リクルート、スタディサプリ売却へ フィリピン教育事業もマナビーに(日本経済新聞)
Gunosy、27年5月期1Qは減収および赤字転落(RTB SQUARE)
indent、シリーズBラウンドで11億円を調達。(株式会社indent)
アル社とPodcast Studio Chronicle、企業のPodcast活用で協業を開始(アル株式会社)
株式会社オレンジ、出版社横断型マンガアプリ「emaqi」の配信対象地域を英語圏6か国へ拡大(株式会社オレンジ)
阪急電鉄、全線で車両内「中吊広告」終了へ…2027年4月4日をもって 「紙資源の使用削減」およその年間枚数を示す(オリコンニュース)
こんなクソ広告ばかり出していたら、そりゃWebから人はいなくなるよ。──Webメディア編集長として思うこと(ロケットニュース24)
2027年 GA4はどこへ向かう?欧州アナリティクス・サミット・レポート(QAZERO)
# 🌏 海外ニュース
無断 AIスクレイピング のコストを引き上げろ、米メディアが描く健全な市場像(DIGIDAY[日本版])
AIに対価を払わせる、Cloudflareとともに(Making AI Pay Its Way, With Cloudflare)(AdExchanger)
USA TodayがOpenAIを提訴、報道記事をモデルの学習・運用に不正利用したと主張(USA Today Sues OpenAI, Claiming It Unlawfully Used Reporting To Train And Operate Models)(Forbes)
ジョー・ローガン、かつて2億5000万ドル規模だったSpotifyとの契約を更新へ(Joe Rogan Is Renewing Spotify Deal Previously Worth $250 Million)(Forbes)
Spotifyのオーディオブック展開、180超の市場で新章へ(Spotify’s Audiobook Expansion Opens a New Chapter in 180-Plus Markets)(Spotify)
Google、Google Play Booksで「Expert Intelligence」を開始(Google launched Expert Intelligence on Google Play Books)(Good e-Reader)
Appleの逆襲(The Apple Bites Back)(AdExchanger)
広告業界、AppleのSafariトラッキング遮断による初期の損失を集計(Ad industry tallies early losses from Apple’s Safari tracking block)(Digiday)
Prebidのオークション改革案、裁判所がしなかったAdXとGAMの分離を実現へ(Prebid’s Proposed Auction Overhaul Would Do What The Court Wouldn’t: Separate AdX From GAM)(AdExchanger)
今年のPrebid Summit、アドレサビリティが再び参加者の最大の関心事に(Addressability is back as a headline concern for attendees at this year's Prebid Summit)(Digiday)
Quartzのサイト、AI支援を受けた記者1人が1日50本超を書いて大半を制作(Quartz website mainly produced by one AI-assisted reporter writing 50+ stories per day)(Press Gazette)
Netflixが従業員1000人を削減へ 米報道、視聴時間低迷で成長鈍化(日本経済新聞)
Crunchyroll Manga、オーストラリアとニュージーランドでサービス開始(Crunchyroll Manga launches in Australia and New Zealand)(Good e-Reader)
Guardian、新戦略で広告在庫収益が21%増(Guardian sees advertising inventory revenue up 21% with new strategy)(Press Gazette)
Big Issue、「パーパス志向」の消費者へのリーチでブランドを支援(Big Issue helps brands reach 'purpose-driven' consumers)(Press Gazette)
# 📕 出版関連ニュース
AIで検索した「判例」、実は存在せず 出版社が絶版・回収を発表(朝日新聞)
「古本をコンテナ単位で買い取ります」…韓国にも届いた不審なメール(1)(時事ドットコム)
ハーパーコリンズなど米出版大手、本の紹介文をChatGPTで作成(マーティン・シッド・マガジン)
出版社がひそかにAI活用を拡大、社員が反発(Book Publishers Are Quietly Using More AI. Staff Are Revolting)(WIRED)
日販によるAI企業への「書籍大量販売」 企業を批判する前に考えるべきこと(内外タイムス)
[独自]AI学習用途で古書大量注文か アマゾン在庫切れ13万件増、仏企業や国内企業が関与(日経ビジネス電子版)
「動画は、本の要約ではない」……注目の読書サイトの出演者は語る(読売新聞)
同人誌に値上げ圧力「1000円では無理」 印刷代高騰で遠のく気軽さ(日本経済新聞)
漫画家が出版社を提訴 “出版権は消滅”確認を求める(NHKニュース)
シールブックやトレカを取り扱う「日本の本屋」らしさを肯定したい(出版・読書・コミック・図書館・デジタルパブリッシング)
# 📍 ピックアップ
スマホで記事を開くと3分の1が広告だった 大手新聞社も業界基準の広告量を上回る
ロケットニュース24の編集長・GO羽鳥氏が10月11日に書いたコラムが、多くの共感を集めている。Webメディアを開いたら全画面広告が出て、どの「×」を押しても消えず、ようやく見つけた閉じるボタンは目立たない灰色の小さな丸だった――という体験を起点に、記事を読むために何秒も待たされる広告や、詐欺まがいの広告にまで話を広げ、このままではWebから人がいなくなると書いた。広告収入で食べている側の編集長が、それを承知のうえで書いた点に「立場を考えると勇気のいる記事だ」といった声も寄せられ、同サイトの週間ランキングでも1位になっている。
結論は「もっと読者のことを考えよう」という呼びかけである。
言っていることには頷く。ただ、これは編集長個人の体感の話でもある。日本のWebメディアの広告は、実際のところどれくらい多いのか。体感を数字に置き換えられないかと思い、実際に測ってみた。
記事を開いた瞬間、画面の3分の1は広告である
測ったのは、日本ABC協会のWeb指標一覧上位サイトと、新聞・通信社・スポーツ紙を合わせた34サイトである。スマートフォンで記事を開き、画面のうち広告が占める面積の割合を出した。
記事を開いて8秒後の1画面目(3回測った中央値)に占める広告の割合は、34サイトの平均で33.7%、中央値で33.4%だった。30%を超えたのが20サイト、50%以上が4サイトある。
平均だけを見ると極端な数サイトに引っ張られた結果のようにも読めるが、中央値もほぼ同じである。真ん中に位置するサイトで、すでに画面の3分の1が広告に使われている。一部の悪質なサイトの話ではなく、日本でよく読まれている記事ページの標準的な姿だと考えたほうがいい。

区分別に見ると、ABC上位20サイトが30.6%、全国紙が31.4%、通信社が17.8%、スポーツ紙が48.8%だった。
しかも、これは入口の数字にすぎない。本文を読み進めると広告の割合はさらに上がり、ほとんどのサイトで、どこかの画面がほぼ広告だけで埋まる瞬間があった。記事を開いた直後に画面のほぼすべてを広告が覆い、3回測って3回ともそうだったサイトもある。そして、広告業界と媒体社が自分たちで「これを超えると読者が離れる」と定めた30%の線を、半数を超えるサイトが上回っていた。
この先では、計測の方法と限界を示したうえで、どのサイトでどんな広告が出ていたのか、読み進めるとどこで広告が増えるのか、業界の基準に照らすと何が見えるのかを、サイト名と数字を挙げて見ていく。最後に、ロケットニュースのコラムが投げかけた問いに、このデータから何が言えるのかを考える。
なお、筆者は講談社グループのWebメディアの運営に関わっている。今回の対象には講談社グループの媒体も含まれるが、計測と判定は他のサイトとまったく同じ条件・手順で行い、数字にも手を加えていない。


