読者に単なるリンク集を送ってはいないか? Publidia #254

今回は、Googleが行うスパム認定とTelegraphのニュースレター戦略について書いています。
アヨハタ 2026.04.20
読者限定

今週もよろしくお願いします。

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最新回#46は以下になります。

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 # 🚩 トップニュース

米調査会社イーマーケッターの予測によると、2026年のデジタル広告でMetaが2434億6000万ドルとなり、2395億4000万ドルのグーグルを初めて上回る見通しだ。
逆転の背景には、Facebook・Instagram上での縦型短尺動画「リール広告」の成長と、AIを活用した広告最適化プラットフォームによる費用対効果の向上があるとみられる。MetaのSNS利用者数は35億人を超え、広告主の採用が急拡大している。
一方Googleは検索連動型広告を主収益源としてきたが、SNSターゲティング広告に追い上げられている。
Meta・Google・Amazonの3社で2026年の世界デジタル広告市場の約62%を占める見通しであり、両社ともAI開発投資の原資として広告ビジネスの重要性は一層高まっている。(WSJ) (日本経済新聞) (ロイター)

# 📍 ピックアップ

今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。

  • Google 「戻るボタンハイジャック」をスパム認定 順位降格へ

  • 読者に単なるリンク集を送ってはいないか? Telegraphのニュースレター戦略

Google 「戻るボタンハイジャック」をスパム認定 順位降格へ

Googleは2026年4月13日、ユーザーがブラウザの「戻る」ボタンを押した際に前のページへ戻れないようにする「バックボタンハイジャック」を、スパムポリシーの「悪意のある行為」として明示的な違反に指定すると発表した。
施行は2026年6月15日で、違反サイトには検索順位の自動降格または手動ペナルティが科される。

問題とされる行為は、ブラウザのHistory APIを悪用してユーザーの閲覧履歴を書き換え、未訪問のページへ誘導したり、「戻る」を押すたびに広告を表示したりするものだ。
Googleは最近こうした行為の増加を確認しており、「ユーザ体験が最優先」として正式なポリシー化に踏み切った。

注意すべき点は、サードパーティの広告配信やレコメンドウィジェットが原因であっても、責任はサイト運営者が負うことだ。アドネットワーク依存の収益モデルを持つパブリッシャーは、6月15日までに実装を精査し、該当コードを削除することが求められる。

本件は、日本の大手メディアでも他人事ではない。
例えば大手新聞社のウェブサイトをスマートフォンで閲覧時に、前の画面に戻ろうとしてスワイプしたら広告が表示された経験がある人は多いのではないだろうか。

こうしたバックボタンハイジャックはレコメンドウィジェットを提供する事業者が行っていることも多い。有名なところだと、Taboola社とOutbrain社である。
これらの会社は、大手メディアと複数年契約を行うなど広告面の獲得戦も起きている。

広告事業者としてはGoogleの発表を無視できないだろう。バックボタンハイジャックは遅かれ早かれ解消せざるをえない。
しかし、これでメディアも安心して良いのだろうか。

事業者が実装しているとはいえ、ユーザ体験を大きく損なうことをメディア自体も排除せずに提供していたわけだ。
マネタイズばかりに向き合い、読者体験の悪化を放置し続けると、結果的に運営自体が立ち行かなくなるであろう。

広告依存から脱却したマネタイズの追求も課題だが、まず協力会社に丸投げをしているのであれば、もう少しユーザと向き合いどれだけ悪い体験を提供していたか自覚するところから始めるのはどうであろうか。

読者に単なるリンク集を送ってはいないか? Telegraphのニュースレター戦略

英国の老舗メディア「The Telegraph」が2025年4月に創刊した編集長監修のニュースレター「From the Editor」が、1年で同社最大のサブスクリプション獲得源に成長した。
毎朝7時半に配信され、現在の読者数は85万人以上、総リスト規模は200万人超にのぼる。

有料購読者転換の特徴は「段階的」な点で、多くの読者が2ヶ月程度読み続けた後に有料転換する。エプスタイン関連報道など独自スクープが転換に特に効果的で、直接的な有料購読促進を避け、舞台裏を伝える「親密な対話」スタイルを貫く編集方針が奏功している。
成功を受けてニュースレター全体は31本に拡張している。

この記事を斜め読みすると、ただニュースレターを導入すれば有料購読者の成長につながるというふうにも読める。

有料転換した読者の多くは、2ヶ月程度かけて転換しているとのことだ。ニュースレターやメディアの記事に満足して転換している。
このニュースレターは無料で登録ができるのでぜひ実際に体験してもらいたい。毎日編集長からメッセージとおすすめ記事が届く。このメッセージが重要である。
ニーズにマッチしていればこのメッセージが心地よく、楽しみになっていくであろう。毎日このニュースレターが届くことで、例えば移動の時間や休み時間に読もうかと日々考えるようになる。

しかし、場合によってはメディアが発行するニュースレターは手間がかからないように、公開している記事から自動的に作られた単なるリンク集の場合もある。そんなニュースレターに誰がわくわくするのだろうか。実用的ではあるが。

日本でもニュースレターを活用しているメディアはある。(ただし購読に役立っているかはわからない)
日経新聞のNIKKEIニュースレターや朝日新聞も多数のニュースレターを出している。

もし、読者向けのメール配信が単なるリンク集になっているようであれば改善してみてはいかがだろうか。
苦戦している開封率も改善するかもしれない。

 # 🗾 国内ニュース

  • AI×オタクに米VCが食指 日本発スタートアップに70億円提示、独自文化に魅了(日本経済新聞)

  • マンガ発表の場が広がり、新しい読者に出会えるように!「コミックビューア」をリリースしました(note公式)

  • 「AIはあくまで補助」――朝日新聞、「社長『AI全振り』宣言」との日経記事巡り声明(ITmedia AI+)

  • StoryHub、AI時代の企業のストーリーテリングを支援する「StoryHubプラットフォーム」構想を発表(StoryHub株式会社)

  • 地方紙各社 生成AIサービス事業の動き加速(The Bunka News デジタル)

  • Gaudiy Groupが松竹、東映アニメーション、東宝より追加調達を実施(株式会社Gaudiy Group)

  • TBS HD・CJ ENM・U-NEXT HD、合弁会社名をStudioMonowaと決定(RTB SQUARE)

  • 元フジテレビ渡辺恒也プロデューサー、ディズニーへ移籍 日本オリジナル実写ドラマ制作を強化武井保之 - エキスパート - Yahoo!ニュース)

  • Netflix利用者、WBC後に31%減 閉幕で集客効果に陰り(日本経済新聞)

  • 新団体APTIが始動――広告サプライチェーンの透明化は「実務の実装」から【APTI発足イベントレポート】(ExchangeWire Japan)

  • 【お知らせ】東洋経済オンラインがリニューアル! デザインの刷新に加えて新たなブランドメッセージを策定しました(東洋経済オンライン)

  • 月間7000万PV*の「PR TIMES」がサービスドメインを「prtimes.com」へ今秋移行(株式会社PR TIMES)

  • そのGEO・AI検索施策、意味ある? サイバーエージェント木村氏×辻氏が9の質問にガチンコ◯✕判定(Web担当者Forum)

  • 「市民の考えの可視化でプラットフォーマー動かす法制化へ」──「ストップ詐欺広告」を立ち上げた鈴木健氏が目指す「属人性に頼らない仕組みづくり」【プラットフォーマーに問う⑩前編】(SlowNews | スローニュース)

  • サーチファンドで「ビジネスジャーナル」を事業承継、アングルクリエイト飯島氏が語る崖っぷちからの再建(Media Innovation)

  • 広告・コンサルに忍び寄る総合商社 伊藤忠、三井、住商がマーケ支援本腰(日経クロストレンド)

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# 🌏 海外ニュース

  • OpenAIは、2030年までに広告収入が1,000億ドルに達すると予測している(Axios)

  • 出版社に対し、ボットによる閲覧が収益の大部分を占める未来を受け入れるよう呼びかけられている(Press Gazette)

  • クリック数稼ぎの危険な誘惑(SEO for Google News)

  • 3月のGoogleコアアップデートにより、ニュースサイトはわずかながらも成果を上げている(Press Gazette)

  • 開始から5年が経つが、Axios Localはまだ黒字化していない。果たして黒字化できるのだろうか?(A Media Operator)

  • Forbes、ワインクラブの立ち上げにより小売事業へ進出(Press Gazette)

  • 米国の独立系ジャーナリスト43人調査:生活費を賄えるのはわずか5人、収益化の「定番モデル」はまだない(Media Innovation)

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# 📕 出版関連ニュース

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# 編集後記

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