OpenAIが動画メディアを買収 Publidia #252
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# 🚩 トップニュース
電子コミック配信サービス「めちゃコミック」を運営する株式会社アムタスは、2026年4月1日付で社名を「株式会社めちゃコミック」に変更し、本社を神田神保町へ移転した。親会社インフォコムは2024年、帝人グループから米大手投資ファンド・ブラックストーンへ約2757億円で売却されており、ブラックストーン傘下での経営体制が本格化する中での今回の刷新となる。(株式会社アムタス)
CDNなどを提供するCloudflareは2026年4月1日、WordPressの後継を標榜する新CMSとして「EmDash」を発表した。TypeScript製・サーバーレス対応で、MITライセンスの完全オープンソースとなっている。
最大の特徴はWordPressにあるプラグインのセキュリティ問題の解決である。WordPressのプラグイン起因の脆弱性が96%を占める問題に対応し、開発者向けベータ版を公開している。(The Cloudflare Blog)
# 📍 ピックアップ
今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。
OpenAIが動画メディアを買収
OpenAIが動画メディアを買収
OpenAIは2026年4月2日、テック系ライブ配信メディア「TBPN」を買収した。買収額は非公表だが、英FTは「数億ドル規模」と報じた。
TBPNはOpenAIの戦略部門に組み込まれ、Chris Lehane最高グローバル渉外責任者のもとで運営される。
編集の独立性は維持されるとしているが、広告事業は廃止となる。OpenAIによるメディア企業の買収は初めて。
少人数で運営されている動画メディア TBPNとは
TBPN(Technology Business Programming Network)は、元起業家のJohn CooganとJordi Haysが2024年10月に立ち上げたライブ動画メディアだ。
ハリウッドの倉庫にあるスタジオから、平日の午前11時から午後2時にYouTubeやXで毎日3時間生配信し、テック・AI・ビジネスのニュースをリアルタイムで解説する。スポーツ中継のような疾走感ある演出が特徴である。
創業からわずか1年で、Mark Zuckerberg(Meta CEO)、Satya Nadella(Microsoft CEO)、Sam Altman(OpenAI CEO)ら業界トップCEOが次々と出演した。
スポンサーには法人カードを提供するRamp、Shopify、ニューヨーク証券取引所、GoogleのGeminiやデザインツールのFigmaなどが名を連ねる。

TBPN 2026/3/19配信分より
正式な組織規模は開示されていないが、WSJの報道では11名の規模と見られる。
外部資本なしで黒字化し、2025年の広告収益は約5億円(約500万ドル)、2026年は30億円超を見込んでいた。
共同創業者の2名が共同ホストとして出演しているが、他には以下のような体制と見られる。
Dylan Abruscato(社長)
元PostmatesおよびHQ Triviaのパートナーシップ担当幹部。TBPNでは広告収益の拡大を担う。Nicholas Shawa(Chief of Staff:社長の右腕的な存在)
ニュースレター担当者
その他撮影スタッフ
日本国内でTBPNについて注目していた媒体は人気ポッドキャスト Off Topicぐらいで、あとはMedia Innovationがニューヨーク証券取引所との提携を報じていた程度だ。
Off Topicは共同創業者のJohn Cooganのインタビューも行っていた。
TBPNは日本で似ているメディアが見当たらず例えにくいが、あえて言えばNewsPicksの動画コンテンツに近い。ただし毎日3時間の生放送という規模感はテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」にも近いように感じる。
OpenAIの目論見と、これから起きること
OpenAIのこの買収の目論見はどういったものなのか。
以下のようなことが考えられる
IPOに向けた企業イメージの向上と世論形成
従来のマーケティング・PRの限界突破。AI規制や倫理問題などを従来のメディア対応では処理しきれないため、場を持つことを選択した
短期間で人気番組へと持ち上げたホストの才能活用
こうしたことが読み取れる。
OpenAIの幹部による従業員向けの社内メモでも、“create a space for a real, constructive conversation about the changes A.I. creates.(AIがもたらす変化について、真に建設的な議論を行うための場を創出できる)”と記されている。
先述した通り、TBPNは多くのスポンサーがつく人気番組であった。しかし広告事業は廃止となる。OpenAIの傘下に入ることで、売上について考える必要がなくなったが、色がつくことで困難が待ち構えていると個人的には感じる。
TBPNの特異性の一つでもあった業界トップの出演などは困難になる可能性もある。
この点は、TBPNというメディアの将来を脅かしかねない。
ニュースレターグロースのエージェンシーGrowLetterのニュースレター上で、この買収の見解をいくつか述べており、その1つとして”OpenAIが1-2年で興味を失い、共同創業者が買い戻す”という可能性もあるとしている。
結局、OpenAIとしてはこの共同ホストとイメージを買収したと考えられる。
# 🗾 国内ニュース
ダイヤモンド・メディアラボ(DIAMOND MEDIA LAB)
OP技術研究組合に2法人加入 ネットの記事・広告信頼確保へ活動加速(The Bunka News デジタル)
fluct、総務省の偽・誤情報対策事業にて、「Originator Profile」の広告取引実証を完了 ~SSPとして、RTB商流における発信者証明技術の実装と広告配信に成功~(株式会社fluct)
お知らせ・マンガ投稿サービス「コミチ」終了のお知らせ(コミチ)
『アドタイ』のイベントレポート制作を支えるStoryHub——諦めていた取材にも足を運べる編集部へ(StoryHub株式会社)
LINEヤフー、広告配信サービス一本化 基盤統合でデータ連携即時(日本経済新聞)
「AI時代だからこそ声の力!『ポッドキャスト』最前線」(“生活者データ・ドリブン”マーケティング通信 | 博報堂DYグループ)
[新連載]サイバーエージェント、「ポスト藤田」が育てるアニメ ソニー追う(日経ビジネス電子版)
MIXI、音声読み上げ機能搭載のWEBを中心とした総合メディアプロジェクト「MEDIAMIXI」を始動(株式会社MIXI)
「2025年 新聞およびWeb利用に関する総合調査」の結果(朝日新聞社)
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「MORE」サイト終了のお知らせ(集英社)
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CARTA HOLDINGS、リサーチパネル事業をクロス・マーケティングGに譲渡(RTB SQUARE)
日本のマンガIP海外市場「4兆円」で測れない真の価値とは? マンガ業界の未来を妄想(AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議)
# 🌏 海外ニュース
メディア業界にAIによる大変革が訪れようとしている。あるジャーナリストはすでに全面的に乗り出している(WSJ)
オールドメディアがAIを活用して何が起きたか、合成オーディエンスへの壁打ち、記事は読者ごとに変化する時代に 【生成AI事件簿】多様な読者ペルソナを構築、新刊のタイトルや装丁をシミュレーションする出版社まで登場(JBpress)
SubstackのライバルであるBeehiivがポッドキャスト事業に本格参入(Semafor)
GuardianによるSubstackでの最初の実験は、食に関するニュースレターの再配信です(Press Gazette)
報道によると、VersantがVoxのポッドキャスト部門の買収を検討している(ADWEEK)
寄生型SEO企業「Clickout Media」の告発記事がGoogleから削除された(Press Gazette)
大手パブリッシャーが明かす AI ライセンス市場のリアルな収益状況(DIGIDAY[日本版])
Webtoonは、自社のコミックプラットフォームにAIローカライズツールを追加する(The Verge)
印刷雑誌出版が直面する課題(MediaVoices)
# 📕 出版関連ニュース
DNP、書店からの注文で本を印刷 200冊から対応で品切れ防ぐ(日本経済新聞)
光和コンピューター、DNPからビジュアルジャパンの株式を取得(新文化オンライン)
本の在庫管理にICタグ、書店に補助金…万引き防止にも一役(読売新聞オンライン)
業務提携先における情報漏洩事案について(文教堂)
ジュンク堂書店で過ごす、一夜限りの体験「ミッドナイトジュンクラブ」を開催(株式会社丸善ジュンク堂書店)
幻冬舎「栄光のバックホーム」で映画製作に参入 ハイリスクでも挑戦(日本経済新聞)
出版社は資本主義に向いてない(第四回・終) 寄稿・日本文芸社 竹村 響(株式会社メディアドゥ)
オアシス、KADOKAWA株を買い増し 保有比率11.85%に(日本経済新聞)
オアシス、KADOKAWA株を買い増し 13.76%(ロイター)
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株式会社イースト・プレス 電子売上過去最高を記録 PUBNAVIが支える電子書籍事業(The Bunka News デジタル)
書協 生成AI関連WG発足 出版契約書ヒナ型の一部改訂へ(The Bunka News デジタル)
出版業界団体、生成AI使用の指針作成へ 作家との契約書にも明記(日本経済新聞)
Penguin Random Houseの2025年の利益は4.7%減少した(Publishers Weekly)
ファンの声が売上を動かす、新しいインフラ「AIコンテクストネットワーク」をnoteが提供開始。第一弾はKADOKAWA約7000点で展開。パートナー企業を広く募集(note株式会社)
「営業経験なき戦略は寝言」西野亮廣と丸善ジュンク堂社長が語り合う、本屋の生き残り戦略(GOETHE[ゲーテ])
