The Guardian ニュースインフルエンサーという方向性を目指す Publidia #265

今回は、The Guardianの新しい取り組みについて書いています。
アヨハタ 2026.07.13
誰でも

今週もよろしくお願いします。

***

🔸 お知らせ
本ニュースレターでは取材や執筆継続のために、サポートメンバーを募集しています。

サポートメンバー向けの記事も月1更新しています。

***

📻 音声配信のお知らせ

SpotifyApple PodcastLISTENで聴くことができます。

最新回#52は以下になります。

***

# 🚩 トップニュース

Googleは検索パフォーマンス測定ツールSearch Consoleに、新しいプロパティタイプ「プラットフォームプロパティ」を導入すると発表した。
Instagram、TikTok、X、YouTubeの4プラットフォームに対応し、自身のソーシャル投稿や動画がGoogle検索およびDiscoverでどのように表示・クリックされているかを確認できる。自社サイトを持たないクリエイターも利用可能で、2025年12月に実験導入したソーシャルチャネル機能を発展させたものとなる。提供は今後数週間かけて段階的に行われる。(Google for Developers)

Metaが2023年に開始した「Threads」の月間アクティブ利用者数が2026年6月に5億人を突破し、X(旧Twitter)と並ぶ規模となった。ニュースよりもK-POPやスポーツなどテーマ別コミュニティでの会話が中心で、Redditに近い使われ方をしているという。
責任者のConnor Hayes氏は10億人を目標に掲げ、2026年1月には広告表示も開始した。成長を牽引するのがアジアで、直近1年の利用時間は韓国が80%増、日本は130%増と急伸している。
Meta日本法人が7月1日に開催したラウンドテーブルでは、国内の成長要因として、返信がインプレッションの5割を占める会話中心の利用、Instagramとの明確な使い分け、コミュニティの活性化の3点が挙げられた。日本ではテキストのみの投稿比率がグローバル平均より高いという。S&P GlobalのMelissa Otto氏は、広告事業を伴って10億人に達すれば年間300億ドル以上の収益になり得ると試算している。(The New York Times) (MarkeZine)

# 📍 ピックアップ

The Guardian ニュースインフルエンサーという方向性を目指す

英国の老舗クオリティ紙The Guardianが、大規模な変革投資に乗り出している。
今後1年間で英国・米国・オーストラリアの3拠点に約55の新規常勤ポストを創設する計画を2026年6月末に発表した。編集・プロダクト開発・アナリティクス・コマーシャルの各部門にまたがる採用で、規模としては現在の従業員数1,671人(編集913人・非編集758人)の約3%増に相当する。

背景にあるのは「Project Berger」と呼ばれる社内変革プログラムだ。
所有者である非営利財団スコット・トラストから複数年にわたる数百万ポンド規模の資金を確保し、「よりビジュアル、デジタル、グローバル、実験的なメディアへ」という方針のもとで進められている。

採用の軸となるのが動画・音声の強化だ。
米国では視覚的調査報道・データビジュアライゼーション・ソーシャル動画を担う新たな動画チームを立ち上げる。また動画ファースト・パーソナリティ主導の報道拠点「Guardian Studios」も新設され、元スタッフのLeah Green氏が統括として復帰した。オピニオン・フィーチャー・スポーツ分野での動画強化ポストも順次設けられる。

業績面では英国外からの収益拡大が顕著だ。編集長のKatharine Viner氏によると、英国外からの収益の8割超が10年前には存在しなかったという。2026年3月期のデジタル読者収益(定期支援者・単発寄付)は前年比17%増の1億2,500万ポンドに達しており、グローバル戦略が着実に成果を上げていることを示している。

プラットフォーム戦略でも新たな動きがある。2026年3月、ガーディアンは週刊フードニュースレター「Feast」をSubstackで配信する実験を開始した。Feastはすでに10万人以上の購読者を持ち、開封率は約70%と高水準を誇る。Substackのノート機能や他パブリッシャーとのリコメンド機能を活用することで、既存読者とは異なる新規層へのリーチを狙う。
ニュースレター責任者のToby Moses氏は「ガーディアンをまだ知らない読者への入口になるかどうか、試してみないとわからない」と述べており、成果次第では現在60本近くあるニュースレター全体への展開も視野に入る。ガーディアンのニュースレター購読者数はすでに500万人超に達している。

さらに注目されるのが「ニュースインフルエンサー」という新たな方向性だ。
Viner編集長は現在のコンテンツ構成について、24時間ごとに「小説2冊分」の文字量を公開しており、テキストと他形式の比率が「適切でない」と率直に認める。そのうえでインフルエンサーの強みとして「オーディエンスとの近い関係」や「プラットフォームへの深い理解」を評価し、それにジャーナリズムの価値を組み合わせた独自の形を模索していると語る。
ソーシャルメディア上のタレント活用はオーストラリア編集局が先行しており、専任のソーシャルホストを擁する同局が英米の記者向けトレーニングも実施している。

伝統的なクオリティ紙でありながら、大胆な変革投資を続けるガーディアンの動きは、デジタル時代のニュースメディアとして注目したい。

***

 # 🗾 国内ニュース

  • 毎日新聞グループ、26年3月期連結決算は減収減益 繰延税金資産の取り崩しで最終赤字に転落(RTB SQUARE)

  • PIVOT佐々木紀彦社長、メディアの今を語る「悪貨が良貨を駆逐」(日本経済新聞)

  • 異業種の視点は何が違う? これからの「広告メディア」開発(AdverTimes.)

  • デジタルマーケティングの現在地——トップランナーたちの視点 ポッドキャストと音声広告の最前線——“耳から届く”デジタルマーケティングの可能性|デジタルマーケティングの現在地——トップランナーたちの視点【第4回】(講談社Cステーション)

  • 黒鳥社と共に運営する新たなリサーチメディア「まるいらぼ」設立(丸井グループ)

  • AIを活用した漫画翻訳のオレンジ、米国・カナダでサブスク開始(日本経済新聞)

  • ファンコミュニケーションズ、メディア事業等のviviane社を買収(RTB SQUARE)

  • Podcast Studio Chronicle、新法人「クロニクル株式会社」を設立。Podcast制作事業を移管(合同会社野村事務所)

  • DC3サービス終了のお知らせ(CELSYS)

  • クールジャパンの失敗は生かされず? 経産省肝いりで始まった後釜施策「IP360」の光と影:まつもとあつしの「アニメノミライ」(ITmedia NEWS)

  • 表現の自由や休眠IP、日本発エンタメの勝ち筋に 京都の「IVS」で(日本経済新聞)

  • トランスコスモス、海外ファン向け漫画ECサイト「TOKYO MANGA BASE」をオープン 小学館作品を10の国と地域に展開 | EC・ネット通販を中心とした物販ビジネス専門メディア 「コマースピック」(コマースピック)

  • radiko、ポッドキャストチャンネルをWebサイトに埋め込める「ポッドキャストチャンネルボード」機能をリリース(株式会社radiko)

  • Googleアナリティクスの計測に「非人間」が増えてきた(株式会社真摯)

  • ChatGPT広告をエンドユーザーはどう見ているのか(キーマケLabのヨミモノ)

  • コンテキストを設計するのは誰か——AI時代に事業会社が持つ情報流通の強み(田島将太 note)

  • ビジネス、テック、カルチャーはすべてつながっている 「Slow Times」創刊者・宮武徹郎が語る「複雑な社会を見る方法」(AERA DIGITAL)

***

# 🌏 海外ニュース

  • CloudflareがAIクローラーに期限を設定:検索機能を分離しない場合はブロックされる(NBC News)

  • リスナーが求めるのは「ニッチなポッドキャスト」──最新統計が明かす業界の未来(Forbes JAPAN 公式サイト)

  • Googleは、パブリッシャーのコンテンツを削減する新たなAI提携を通じて、パブリッシャーから収益を搾り取ろうとしている(New York Post)

  • 『USA Today』とGoogleの確執(The Rebooting)

  • Criteo、株式投資会社や投資会社から買収提案を受ける(MediaPost)

  • BBC、米国での加入者数・アクセス数・広告収入の増加を受け、カナダでもペイウォールを拡大(A Media Operator)

  • エコノミスト、低価格マルチメディア購読アプリ「Play」を4カ国で試験展開(Media Innovation)

  • Google、EU独禁訴訟で7600億円制裁金確定 自社サービス優遇に制限(日本経済新聞)

  • 英政府、ワーナー買収に介入か 子供向け番組などの多様性低下に懸念(日本経済新聞)

  • CNN、Bloomberg、Voxが「解説型コンテンツ」をオーディエンス成長戦略の中核に据える動き(Media Innovation)

  • Comcastが旧来のメディアモデルから撤退:FoxとRokuが参入(MediaPost)

  • Spotify Ad ExchangeがAmazon DSPと直接連携するようになりました(Spotify Advertising)

  • Amazonが配給を見送った後、ネオンがOpenAIを題材にした映画『Artificial』の配給権を獲得(The New York Times)

  • MFAの広告費が増加している。その原因はAIの乱用にあるのか?(AdExchanger)

  • Wikipediaはインターネットの「魂」をめぐって戦っている(The New York Times)

  • Netflixは、『Variety』誌などとの新たな出版社との提携を通じて、短編動画コンテンツの分野に参入している(TechCrunch)

  • Netflix、「VOGUE」「Rolling Stone」など著名メディアの動画を配信へ(ITmedia NEWS)

***

# 📕 出版関連ニュース

***

# 編集後記

note質問箱やってます。

あと、Publidiaのページを立ち上げました。

***

老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて広告関連の担当や子会社事業のメディア担当ディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。

SNS

X  /  Facebook  /  Linkedin  /  YOUTRUST / Threads

無料で「Publidia」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

サポートメンバー限定
マーケターが立ち上げた書籍のAIライセンシングプラットフォーム Pub...
誰でも
Google Discoverに「見出しテクニック」は効いていなかった...
誰でも
AWS AIトラフィック収益化機能を追加 Publidia #262
読者限定
書店取次大手2社赤字報道 Publidia #261
誰でも
GoogleのAI検索が拒否可能に Publidia #260
読者限定
ダ・ヴィンチ休刊から考える、雑誌メディアのブランド体験 Publidi...
誰でも
SBIHD メディア・IP系企業と資本業務提携 Publidia #2...
読者限定
検索トラフィックがゼロになる前提で考える Publidia #257