NYT、Amazonと生成AI契約 報道コンテンツがAIモデル訓練に活用へ Publidia #211

今回は、電子コミック広告表現をめぐる動き、NYT、Amazonと生成AI契約 報道コンテンツがAIモデル訓練に活用へについて書いています。
ayohata 2025.06.08
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 # 📍 ピックアップ

今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。

  • 電子コミック広告表現をめぐる動き

  • NYT、Amazonと生成AI契約 報道コンテンツがAIモデル訓練に活用へ

電子コミック広告表現をめぐる動き

電子コミック大手11社で構成される日本電子書店連合は、性的表現を含む広告の全年齢向けサイトへの配信を2025年4月末に停止した。
背景には、日本広告審査機構(JARO)に寄せられた苦情の急増がある。2024年度にはインターネット上の性的広告に対する苦情が604件に上り、そのうち206件が電子コミック関連で、半数以上が連合加盟社に関するものだった。

JAROの指摘を受け、同連合は4月30日に緊急会合を開催し、広告配信基準を統一した。
停止以降、加盟社に関する苦情はゼロとなった。一方、非加盟社や他業種の広告には苦情が継続しており、JAROは引き続き改善を促していく方針だ。

2025年3月、料理情報サイト「オレンジページnet」に性的な広告が表示されたとの指摘がSNSで拡散された。同社は即日、広告停止し、謝罪メッセージを発信した。

統括編集長の原田直美氏は、創刊以来の「読者に正面から向き合う」姿勢がネットでも変わらないと語る。同サイトは広告収入で運営されており、特に予約型のタイアップが主な収益源だが、アドネットワーク経由の広告にも「公序良俗に反しない」ことを基準に運用していた。不適切な広告の排除に向け、クリエイティブチェックの強化やブラックリスト化を進めている。

しかし、完全な対策には至っておらず、媒体社、広告主、アドネットワーク事業者がそれぞれの責任を果たすことが重要とされる。

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 # 🗾 国内ニュース

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# 🌏 海外ニュース

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# 📕 出版関連ニュース

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 # 📍 ピックアップ

NYT、Amazonと生成AI契約 報道コンテンツがAIモデル訓練に活用へ

2025年5月、米国の大手新聞社 The New York Times(NYT) は、Amazonとの間で初の生成AIに関するライセンス契約を締結した。この複数年にわたる合意により、AmazonはNYTの編集コンテンツを自社のAI製品に活用できるようになる。

契約の具体的な内容としては、NYTのニュース記事、レシピサイト「NYT Cooking」、スポーツメディア「The Athletic」などのコンテンツが、Amazonの音声アシスタント「Alexa」やその他の製品で要約や抜粋として表示される。
また、これらのコンテンツはAmazonの独自AIモデルのトレーニングデータとしても使用される予定だ。

この合意は、NYTが2023年にOpenAIおよびMicrosoftを著作権侵害で提訴した後に成立した。
訴訟では、両社がNYTの数百万の記事を無断でAIモデルの学習に使用し、同社の収益源を侵害したと主張している。

NYTのCEOであるMeredith Kopit Levien氏は、社内メモで「高品質なジャーナリズムには対価が支払われるべきであり、この契約は我々の知的財産権を適切に評価するという長年の方針と一致している」と述べている。

この契約は、メディア業界におけるAIとの関係性に新たな局面をもたらすものと見られている。
他の出版社も同様のライセンス契約を模索しており、今後の動向が注目される。

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# 編集後記

Switch2は当たっていません。

電子コミックの広告の件ですが、加盟社は広告を止めたと説明はされていますが、いつもみているゲーム攻略サイト(ポケモンスリープです)で加盟社の電子コミックで性的表現がある広告を見かけるのですが、なぜなのか。

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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて広告関連の担当や子会社事業のメディア担当ディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。

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