起業家に買収されるメディア Publidia #111

米Forbesを発行するフォーブス・グローバル・メディア・ホールディングスの過半数株式を、自動運転技術ルミナーCEOのオースティン・ラッセルが取得した。

Forbesは特別買収目的会社(SPAC)を通じての上場を目指していたが、2022年5月にその計画は中止された。

報道によると、オースティン・ラッセル氏はForbesの業務に関与予定はなく、引き続きフォーブス・メディアの会長兼編集主観のスティーブ・フォーブス氏が関わるとのこと。

著名な起業家による伝統的なメディアの買収は続いている。

• Amazon創業者ジェフ・ベゾスによるワシントン・ポスト買収(2013)

• 実業家でスティーブ・ジョブズの元配偶者であるローリーン・パウエル・ジョブズによるThe Atlanticの買収(2017)

• セールスフォース創業者マーク・ベニオフによるTIMEの買収(2018)

経営に大きく関与するしない、それぞれスタイルが違うが、どういう動きになるか注目したい。

日本からはアクセスできないが、講談社の米国展開アプリK Mangaがスタートした。
※開示：私の勤務先が講談社グループですが本企画については関わっていません。

K MANGAはチケットを消費してチャプターを読み進める形式であるようだ。また、作品タイトルにより必要なチケットなどが変わってくるようである。
少し複雑さを感じる。

同じ時期に開始したVIZ Mangaは10,000チャプチャー分の作品を月額1.99ドルでアクセスできる形式のようだ。配信作品は、伊藤潤二や高橋留美子の作品やNANA、ふしぎ遊戯など懐かしい作品や、古見さんはコミュ症です。など最近の作品も含まれているようである。

VIZ Mediaは小学館・集英社を要する一ツ橋グループの会社で北米の漫画やアニメの翻訳出版などを行う会社である。

まだ、アプリが公開段階で本格始動してない状況だが、米国のユーザの評判はVIZ Mangaのほうが上回ってるかもしれない。一人の海外ユーザの印象ではあるが、以下のようなツイートを見つけた。

価格や使い勝手など、サービスの明快さはUXにおいてとても大事である。

作品タイトルにより金額（もしくは必要なポイントなど）が違うのは、ユーザによってはストレスになる可能性があるので、認識しておきたい。

• 「audiobook.jp」が当たり前の存在であるために｜“聴く”市場の裏側を語る オトバンク広報 佐伯帆乃香氏インタビュー(Tech Team Journal)
  audiobook.jpを運営するオトバンクの広報の方のインタビュー。世代ごとの利用意図について語られているので参考になる。

• サービス終了および「Yahoo!検索」への機能統合のお知らせ - お知らせ - Yahoo!映画(Yahoo! Japan)Yahoo!映画がYahoo!検索に統合。一部機能は残るようだが、エンタメ系メディアから記事提供を受けているようなので、それも終了すると思われる、もしくはYahoo!ニュースからの配信に統合されるのでは。

• ｢呪術廻戦｣制作会社が挑むアニメ業界の悪習打破(東洋経済オンライン)
  アニメスタジオMAPPAがアニメ「チェンソーマン」の製作委員会で100%出資したことで話題になったが、その結果についてのインタビュー。どうやって出資金を集めたかについても語られている。当たり前のことを積み上げており、長期的視点に基づいて動かれていることが理解できる。

• BBC が米国市場を優先事項に。収益増を目指し、サイトとアプリをリニューアル予定( DIGIDAY［日本版］)
  イギリスのBBCが米国での拡大のために、サイトとモバイルアプリの刷新の計画をしているとのこと。

• グーグルの「生成AI検索」がニュースサイトを破壊する | Forbes JAPAN 公式サイト（フォーブス ジャパン）
  Google I/O 2023にて、検索結果をAIを利用した表示方法に変更しようとしていることを発表した。それにより、オンラインメディアへの訪問も必要ん悪なる可能性があり死活問題だと言われている。本記事の書き手は、有料化が促進されるかもしれないが、それだけが生き残る道なのかは不透明とも書いている。とても難しい問題だ。

• Vice Media、破産法適用を申請し投資ファンドが買収へ・・・若者に支持されたデジタルメディア(Media Innovation)
  ViceMediaが破産申請。投資ファンドが買収予定とのことで、事業自体は継続となる見込みのようだ。

• Twitter、CEOにヤッカリーノ氏　広告強化へイーロン・マスク氏表明(日本経済新聞)
  投票結果通り、CEOが変更に。イーロンマスクは製品に集中ということで、今後も混乱は変わらず起きる、ないしは混乱は加速するかもしれない。新CEOはNBCユニバーサルの広告部門のトップだった人物で、広告の立て直しを行うとのこと。

• 株式会社KADOKAWA　2023年3月期通期連結業績にて過去最高の売上高、営業利益を記録(文化通信デジタル)
  KADOKAWAが過去最高の売上、営業利益。ELDEN RINGの大ヒットなどもあるが、映像も含めてヒットが出ていることもあり、過去最高に。来期はELDEN RINGの反動で減収減益予定とのこと。

• 学研HD、ポプラ社と提携(日本経済新聞)
  ポプラ社のキャラクターなどを教材に活用や、両社ともアジア進出しておりその協業と思われる。良い提携だと感じる。

4月のPublidiaでよく読まれた記事を紹介し忘れていたのでここで紹介します。

今週も読み終わった方は、押していただけるとうれしいです。

老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。

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