noteはなぜllms.txtを採用したのか Publidia #269

今回は、noteが採用したllms.txtについて書いています。
アヨハタ 2026.08.10
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# 🚩 トップニュース

ウォルト・ディズニー・カンパニーとTikTokは8月5日、ショート動画を相互展開するグローバル契約を締結したと発表した。TikTokはディズニーの数百本の映画・シリーズの素材をクリエイターに提供し、参加を選択したクリエイターの動画はTikTokとDisney+の縦型動画枠「Verts」の双方に掲載される。Pixar、Marvel、Star Wars、FXなど各ブランドのキャラクターが対象で、今後数か月以内に米国で試験的に開始し、その後他国へ拡大する。両社が共同運営する「ディズニー・クリエイター・アンバサダー・プログラム」では、上位クリエイターに報酬や露出機会、限定イベントへのアクセス、キャリア開発の道筋を提供する。
The Hollywood Reporterは、昨年のOpenAI『Sora』動画のDisney+展開構想と類似するが、AI生成の要素はない枠組みだとしている。Sora自体は2026年3月に終了し、この提携は解消済みである。Vertsは2026年3月に開始しており、Peacock、HBO Max、Netflixも縦型動画の強化を進めている。(The Walt Disney Company)(The Hollywood Reporter)

集英社の「週刊少年ジャンプ」の印刷証明付き発行部数が2026年4〜6月平均で98万5000部となり、この方式での公表が始まった2008年以降、初めて100万部を割った。公表した日本雑誌協会によると、100万部を超える国内の紙雑誌はゼロになった。講談社「週刊少年マガジン」は28万1000部、小学館「週刊少年サンデー」は12万部といずれも減少している。(読売新聞)

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 # 🗾 国内ニュース

  • TikTok通販、日本1年で500億円規模に 動画コマース定着は道半ば(日本経済新聞)

  • 電通、出版メディアSNSとリテール店頭を連動する新たな販促パッケージの提供開始(電通ウェブサイト)

  • 新日本プロレス売却「Netflixが背中押す」 ブシロード木谷社長が理由語る(日本経済新聞)

  • 科学デマの拡散防げ 早大など、メディアと研究者つなぐ組織設立(日本経済新聞)

  • 神戸新聞社、三菱HCキャピタルとデジタルサイネージ事業の新会社設立(RTB SQUARE)

  • 【ウェビナー振り返り】指示の出し方で変わるGA4×AI分析:プロンプトの基本とコツ(株式会社JADE)

  • ナンバーナイン、キャラクターグッズを手掛けるコンテンツシード社と資本業務提携(株式会社ナンバーナイン)

  • タイでドラマ「VIVANT」最新作を配信 総務省が実証、海外需要探る(日本経済新聞)

  • 名刺アプリ「Eight」が、新事業としてビジネスメディア「Re|vent(リヴェン)」を開設(Sansan株式会社)

  • “存在しないアニメ”のOP映像から新規IP創出 KUROGO×講談社が新プロジェクト始動(KAI-YOU)

  • 電通グループ、対話型AIぬいぐるみ「なんでちゃん」の実証実験を実施(株式会社電通グループ)

  • 【デジタルマーケティングの真価】14 メディア価値を再定義するエージェンティック広告 PV競争の終焉、新たなエコシステムへ(The Bunka News デジタル)

  • 産経新聞、東北6県での発行休止へ 11月末で(日本経済新聞)

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# 🌏 海外ニュース

  • ニューメディアはインサイダー・メディアである(New Media is Insider Media)(Working Theorys)

  • Podium、フィクション・ポッドキャストをオーディオブックとして配信へ(Podium to Publish Fiction Podcasts as Audiobooks)(Publishers Weekly)

  • 2026年、最も高収入なポッドキャスター(The Highest-Paid Podcasters Of 2026)(Forbes)

  • Googleは「トップニュース」枠をAI Overviewsへと約20%の割合で移動させている(Google moves Top Stories box to AI Overviews almost 20% of time)(Press Gazette)

  • GoogleとのAI契約は、パブリッシャーに短期的な利益をもたらすものの、長期的には災いをもたらす(Google AI deals offer publishers short-term gain but long-term woe)(Press Gazette)

  • AIエージェントは、パブリッシャーにデータを収益化する新たな手段をもたらしている(AI Agents Are Giving Publishers A New Way To Monetize Their Data)(AdExchanger)

  • ニュースメディア向けに、より精度の高いサブスクリプション・ファネルを設計する(Designing a more accurate subscription funnel for news media)(Audiencers)

  • People Inc、デジタル購読の展開に伴い、現時点ではGoogleをブロックせず(People Inc not blocking Google 'at the moment' as it rolls out digital subscriptions)(Press Gazette)

  • FT、AIと人の協働でより強固なコミュニティを構築(INMA: FT teams up humans with AI to create stronger sense of community)(INMA)

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# 📕 出版関連ニュース

  • Amazon一強を変える  Bookshop.orgが独立系書店へ80億円還元したモデルの全貌(DIGIDAY[日本版])

  • 鼎談【若手書店経営者が語る書店の未来】書店の価値再構築へ 変化する時代の成長モデル探る(The Bunka News デジタル)

  • 出版社が社屋に読者呼び込み 生き残りをかけ、ファンを増やす試み(日本経済新聞)

  • インプレスグループ 重版にデジタル印刷活用 市場縮小受けDSR利用拡大(The Bunka News デジタル)

  • 半年で1万個売れた「積読ホルダー」生みの親が明かすこだわり「積読を消化し新しい本を買う循環を」(リアルサウンド)

  • 講談社 トップレベルドメイン「.manga」取得申請へ 海賊版サイト拡大から防衛(The Bunka News デジタル)

  • イギリスで書籍売上の6%はBookTok経由。日本で根づかないのはなぜ? 稲田豊史さんとの「読書離れ」トークで考えた3つのこと(幻冬舎plus)

  • 小説との“出会い”をつくる。サブスクのU-NEXTがあえて全文無料のWEB文芸誌「文学茶釜」を作ったワケ(U-NEXT コーポレート note)

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# 📍 ピックアップ

noteはなぜllms.txtを採用したのか

noteが2026年7月30日、クリエイターページの「llms.txt」対応を発表した。AI時代に新しい読者や仕事と出会うための仕組み、という位置づけである。同じ時期、国内の主要メディア約100サイトについて設置状況を調べたが、設置していたのはわずか3件だった。

この落差に、いま何が起きているかがそのまま表れている。

そもそもllms.txtとは何か

2024年9月に提案された、まだ標準ではないルールである。サイトのトップ階層に置く1枚のテキストファイルで、中身は「このサイトは何か」の一行説明と、AIに読ませたい主要ページへのリンクを絞って並べたものだ。

例えるなら、ビルの受付に置く館内案内図に近い。全フロアの間取りを網羅した図面ではなく、「用件別にどの階へ行けばいいか」を数十行にまとめた案内である。

なぜこれが要るのか。Webページは人間が読むために作られているので、本文以外にメニュー、広告、装飾、各種スクリプトが大量に詰まっている。AIがページを読みに来ると、本題以外の部分を延々と読まされることになる。AIが一度に処理できる分量には上限があるため、肝心の中身にたどり着く前に容量を使い切ることもある。だから最初から要点だけを整えて置いておこう、という発想だ。

誤解が多いのでいくつか補足しておく。

第一に、これは検索エンジン向けのrobots.txtの仲間ではない。AIのアクセスを許可したり拒否したりする機能は一切ない。
第二に、AIの学習に使われるかどうかとも無関係である。効くのは、AIが利用者の質問に答えるためにその場でサイトを読みに来た瞬間だけだ。
第三に、検索順位やAI検索での引用されやすさを上げるものではない。実際、Googleは検索でもAIによる回答生成でもこのファイルを使わないと公式に明言している

読むかどうかは各AI事業者の任意であり、義務はない。この前提を押さえておかないと、以降の話が全部ずれる。

noteが入れなかったもの

noteが出力しているのは、プロフィールとSNSリンクだけである。

ayohataのnoteにあるllms.txt

ayohataのnoteにあるllms.txt

実際に取得すると画面1枚に収まる。記事本文もタイトル一覧も一切含まない。AIの学習を望まない設定にしているユーザーには、そもそも出力されない。

一方、国内の商用メディアで設置が確認できたのは、Real SoundBRIDGEAMPの3件のみだった。日経、東洋経済オンライン、文春オンライン、NewsPicks、ITmedia、GIGAZINE、Yahoo!ニュース、WWD JAPANなどはいずれも未設置。

引っかかるのは、noteが記事を一件も入れなかった点である。

なぜドキュメントには効いて、記事メディアには効かないのか

このファイルが実際に役に立っている場所は、国内ではかなりはっきりしている。サイボウズやLINEが公開している、開発者向けの技術ドキュメントである。

構図はこうだ。エンジニアがAIの開発支援ツールに「この会社のサービスと自社システムを連携させたい」と指示する。するとAIがその会社の技術ドキュメントを読みに行く。案内ファイルがあれば、「ログイン認証の説明はここ、データ操作の説明はここ」と即座に正しいページへ到達でき、出てくる設定が実際に動く。なければAIは手当たり次第に読み、古いページや第三者のブログを掴んで、動かないものを出力する。

つまり提供側の利得は「自社サービスの導入がAI経由で正しく行われる」ことであり、これは問い合わせ対応コストと採用率に直結する。集客施策ではなく、マニュアル整備に分類すべきものだ。

記事メディアには、この構造がそもそも存在しない。技術ドキュメントは、読者が目的を持って参照しに来る、体系立った知識の集合である。対して記事は時系列に流れていく。AIが新着1,000本のタイトル一覧を受け取っても、そこからできることは何もない。

さらに厄介なのは、記事メディアの長所がそのまま短所として作用することだ。このファイルの唯一の価値は「絞り込むこと」にあるのに、更新頻度が高い媒体ほど手作業での維持は不可能になり、自動生成に頼らざるを得ない。そして自動生成した瞬間、中身は検索エンジン向けのsitemap.xmlと同じものになる。

前述の3件がまさにそれである。Real Soundは1,059行、BRIDGEは2,030行、AMPは2,387行。新着記事をひたすら並べているだけで、BRIDGEとAMPに至っては、冒頭にWordPressプラグインの自動生成であることを示す署名が残ったままだ。編集判断は一切入っていない。

記事メディアがllms.txtを置くことのリターンは、現時点でほぼゼロと見ていい。

それでもnoteの選択は示唆的である

noteは、日本のAI検索で引用される情報源としてYouTubeに次ぐ2位だと自ら述べている(Ahrefs調べ、2026年7月2日公開)。国内プラットフォームとして最上位に引用される存在が、コンテンツではなく人物の情報に賭けた。ここが重要だと考えている。

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