拡張された署名 Publidia #112

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ayohata 2023.05.27
誰でも

今週もよろしくお願いします。

数年ぶりに青山ブックセンターに行きました。
前々職のオフィスが青山ブックセンターのバックヤードにあり、よく行ってた書店なのですが、改めて良い書店だなと感じました。
新刊も厳選して平積みされているので、読みたい本とたくさん出会えました。

***

# 今週のトップストーリー

🤖 NYTの新しい動き

The New York Timesの動きを2つ紹介する。

1.enhanced bylinesにより強化された署名欄

NiemanLabによると、NYTが特定の記事にはジャーナリストが過去どのように活動を行っていたか情報を付与したenhanced bylinesを追加したと伝えている。
この機能は2022年から実験的に限られたコーナーで使われており、今回拡大した模様。

NiemanLabの記事では、他の媒体でも似たような実験をおこなってるようである。

TheVergeも一部の記事で似たような署名になっている。
この記事をどのような記者が書いてるかとてもわかりやすい。

NiemanLabの記事では、Google検索の品質評価ガイドラインのE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を意識したものではないと編集長もしくは副編集長が語っている。要はSEOを意識したものではないと。

書き手がどんな背景を持っているのか、読者にとってはとてもありがたい機能だと感じる。

enhanced bylinesを日本の新聞やオンラインメディアも取り入れるか楽しみである。

2.ポッドキャスト専用アプリをリリース

NYT Audioというアプリをリリースした。NYTのポッドキャストをキュレーションするアプリのようだ。提携した雑誌のオーディオ版やThe Athleticなどのスポーツポッドキャストや記者による朗読記事などが配信されるようである。
幅広い番組の配信をもとに、広告事業に取り組むようだ。

しかし、一部業界メディアからは大変不評のようである。

AudibleやSpotifyなど既に大きく市場を握っている中に専用アプリ(聴ける番組が限られているもの)を市場投入する理由が理解できないという点だ。

NYTの熱心な読者にとってはとてもUXが優れていると思うが、その人数が投資したコストを回収できるかは自分も疑問だ。
また、アプリの運営コストをウェブサイトと同等と考えている人もいるが安くない、そもそもユーザをカバーするならiPhoneとAndroidに対応する必要があるからだ。仮に、ノーコードツールで作って、チープなアプリを作ってもかなり広告費をかけてインストールを促進させないといけない。
結局アプリを立ち上げるのは、ウェブサイトをもう1つまったく別物を立ち上げるのと同意である。技術、デザイン部門やオペレーション部門をもう1つもつ必要がある。

兎に角、アプリがどれぐらい持つか気になるところであり、仮にこのアプリが成功したとしても再現性のない成功であると感じる。

それは悪いことではなく、NYTしかできない取り組みということである。

📣 推し活の理解

アニメイト池袋本店が40周年を迎え、その軌跡を紹介している。

アニメイトといえば、説明不要かもしれないが、アニメグッズを多く揃えたショップで、現在は世界最大規模のアニメショップとなっている。
83年に池袋本店はオープンしたが当初は苦戦していたことや、現在の活況までの道のりが記事では書かれている。

昔はアニメイトといえば、ビルの中の奥まったところにあったイメージだった。少なくとも大阪の阿倍野の店舗はそうだった記憶がある。現在は、一階に店舗があり入りやすい入口の店舗が多い印象である。

最近の推し活でよく出てくる、アクスタ(アクリルスタンド)についても語られている。

コロナ禍でリアルイベントでの収益化が難しくなり、グッズの強化をした運営側の都合や、これまでの定番グッズのフィギュアやぬいぐるみ、抱き枕などに比べて、写真をアクリルにプリントするだけというメーカー側の手軽さもありそうだ。

そうしたアクスタが増えた背景もあるが、なんとなく推し活をする上での自己表現として、Twitterやinstagramの存在も大きかったと感じる。

アクスタはアニメキャラクターだけでなく、ジャニーズや芸人なども出している。おそらく、いろいろな芸能人が出している。

少し前に出た、ケビンスという芸人のアクスタにいたっては、立つのか怪しいということで話題になったのを思い出す。

仁木恭平(ケビンス)
@nikikyouhei
3月から販売されるケビンスのアクリルスタンド、立つか………!!?
2023/02/04 12:21
2131Retweet 8012Likes

📖 週刊誌がなぜ売れなくなったのか

週刊朝日が休刊することを受けて、週刊現代 元編集長 元木昌彦さんのインタビューが朝日新聞デジタルに掲載されている。

自分の社内slackでも、多くのメンバーが週刊誌系メディアに関わっている関係でこの記事は話題に上がった。

出版社系と新聞社系の週刊誌との比較なども語られていたり、インタビューの中で本質的なことが語られている。

特に、語られている中で面白いと思ったのは「ネットの中で完全に独立した週刊誌を作る」というコンセプトである。雑誌をただオンラインで読めるようにするのではなく、新しい形を作っていくべきだし、元木氏自身はもう年寄りだからわからないと謙遜して、もうかっている出版社が考えるべきじゃないかと語っている。

オンラインメディアになったことで、ページ順や特集ごとのまとまりがバラされて読ませる体験より、ちゃんとまとまりになっている雑誌という媒体は強いと思う。

テクノロジーやデザインを駆使して、新しい雑誌の再発明の余地はまだあるのではと感じた記事だった。

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 # 🗾 国内注目ニュース

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# 🌏 海外ニュース


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# 📕 出版に関するニュース

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# 編集後記

先日募集したインタビューにご応募いただいた皆様ありがとうございました。
依頼する方には既にご連絡させていただきました。

今週も読み終わった方は、押していただけるとうれしいです。

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。
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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。

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