AI Overviewsの影響で”ゼロクリック”が2割増に Publidia #216
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最新回#38は以下になります。
# 📍 ピックアップ
今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。
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AI Overviewsの影響で”ゼロクリック”が2割増に
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X CEOヤッカリーノ氏が退任
AI Overviewsの影響で”ゼロクリック”が2割増に
TechCrunchとNew York Postによると、SimilarWebの最新データをもとに、Googleの検索結果要約機能「AI Overviews」がニュースメディアのトラフィックに与える深刻な影響を報じている。
2024年5月から2025年5月にかけて、ニュース検索における「ゼロクリック」率は56%から69%に上昇し、月間オーガニック訪問数は23億回超から17億回未満に急減している。
SimilarWebのデータによると、上位50のニュースサイトのうち74%が前年同期比で流入減となり、ForbesやHuffPostでは最大40%の落ち込みが確認されている。
TechCrunchの記事では”Solutions to the news publishers’ crisis are few and far between.(ニュース出版社の危機に対する解決策はほとんどない)”と書かれた後、Googleが提供する「Offerwall」について言及している。
Googleはメディア支援策として「Offerwall」導入を進めるが、既に多くのパブリッシャーが収益構造の再構築を迫られている。
また、「Offerwall」はユーザ体験を大きく阻害するものである。これが果たしてパブリッシャーの中長期的な収益改善につながるかは疑問である。
# 🗾 国内ニュース
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ビルボードジャパン 紙・電子のブック総合ランキング発表へ グローバル市場の可視化も狙い(The Bunka News デジタル)
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ラジコ池田社長「AMのFM転換を補完、利用者1000万人目指す」(日本経済新聞)
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漫画家の「もっと描きたい!」をサポートする「THE PEN株式会社」を設立(Visual Bank株式会社)
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GENDAの片岡CEOが語る「世界一のエンタメ企業」への道筋――M&Aで年間60%成長,7年で売上1000億円を達成した戦略とは(4Gamer.net)
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アジア諸国のメディアにオリジネーター・プロファイルを紹介「情報の発信元を確認できる仕組みが必要」(読売新聞オンライン)
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KADOKAWAグループのGeeXPlus、海外インフルエンサー主導のアニメ制作事業を始動(ナタリー)
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グリーエックス、西日本新聞メディアラボとの業務提携によりAI活用とデジタル人材育成による九州の観光DX支援を強化(グリーエックス株式会社)
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ミエルカSEOに新機能「AIOレポート」を搭載(株式会社Faber Company)
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LINEマンガ 日本アプリ市場で上半期売上高トップに(聯合ニュース)
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YouTubeはどれだけ速く「染まる」のか 記者が実験してみると(朝日新聞)
# 🌏 海外ニュース
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GoogleのAI Overviewが、独立系出版社からEUの独占禁止法違反の申し立てを受ける(Reuters)
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BBC.com、米国市場で課金制導入 月額8.99ドルでプレミアム体験を提供(Media Innovation)
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FortuneとAxiosはAIに好意的(Semafor)
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欧州でGoogle AI Overviewsに独禁法違反の申し立て、パブリッシャーが損害訴え(Media Innovation)
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ハーバード・ビジネス・レビューの「経営幹部向けサブスクリプションへの大賭け」(Press Gazette)
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グーグルのAI要約、独立系出版社からEU独禁法違反の申し立て(ロイター)
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「メディアブランドはビジネスモデルを根本的に見直す必要がある」:アンドレア・デービス氏が FIPP 会議で講演(FIPP)
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Google Offerwallの概要:パブリッシャー向けの新しい収益化ツール(Press Gazette)
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クラウドフレア、「レッドボタン」で AI クローラー規制へ パブリッシャーに防御と収益化の選択肢(DIGIDAY[日本版])
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Condé NastとHearstがアマゾンとAIライセンス契約を締結、ショッピングアシスタントRufus向けに(Digiday)
# 📕 出版関連ニュース
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【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」(東京商工リサーチ)
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破産した秀和システムの出版事業を引き継いだ会社からの連絡を読んで、思わず笑ってしまった。そして裁判所から手紙が届く(CloseBox)(テクノエッジ)
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【続報】秀和システムの出版事業 トゥーヴァージンズが承継へ 負債・未払金承継せず(The Bunka News デジタル)
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竹書房・双葉社 7・8月からコミックスにRFIDタグを挿入(The Bunka News デジタル)
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出版流通における RFID タグの挿入開始に関するお知らせ(株式会社双葉社)
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【株式会社早川書房 創立80周年】80年分の感謝をこめて様々な企画をご用意!(株式会社 早川書房)
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講談社、ロシア企業への著作権侵害訴訟が終結 『進撃の巨人』など判決に「極めて意義深い」(ORICON NEWS)
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学研・宮原社長、赤字会社のM&Aという「最悪の手」で逆転 15期連続増収に(日経ビジネス電子版)
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Barnes and Nobleは、2025年までに60店舗の新規書店をオープンする計画を進めています(Good e-Reader)
# 📍 ピックアップ
X CEOヤッカリーノ氏が退任
米SNS「X(旧Twitter)」のリンダ・ヤッカリーノCEOが、就任から2年で退任する。
広告業界の重鎮として再建を託されたが、実権を持たぬ“名ばかりCEO”として限界が浮き彫りになった。
ニューヨーク・タイムズでは、シリコンバレーにとってこの退任はほとんど衝撃ではなかったと書かれている。
2023年にマスク氏から任命されたヤッカリーノ氏は、広告主との関係修復に取り組んだものの、マスク氏の過激な発言が足を引っ張った。反ユダヤ的とされる投稿が相次ぎ、大手企業は広告を停止。収益は回復せず、Xの信頼も揺らいだ。
転機は2024年、マスク氏率いるAI企業xAIによるXの買収。
生成AI「Grok」に注力する戦略が鮮明となり、広告事業の優先度が低下した。
Grokは最近、ヒトラーを称賛する投稿で批判を浴び、再び企業の離反を招いている。
ヤッカリーノ氏は「すべてのアプリ」構想を掲げたが、有料プランや新サービスも伸び悩んだ。
後任は未定である。混迷の続くXにとって、今回の退任は再び経営の不安定化を招く可能性がある。
# 編集後記
昨日、DIGIDAYのイベントに参加してきました。
AI危機に関するディスカッションやワークショップを行いましたが、まあまあ難易度の高いワークショップだったなと思いましたが、良い経験だったと思いました。
あと、事業上のリスクになることに関して、解像度を上げることは大事だと感じました。
危機やリスクについて、正しく怖がることが大事だと常々思っています。

老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて広告関連の担当や子会社事業のメディア担当ディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。
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