Threadsに取り組むべきか Publidia #119
このニュースレターPublidiaは、10年近くウェブメディアや書籍系ウェブサービスに関わっているアヨハタが国内外の「出版」「メディア」に関する動向について紹介しています。
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# 🤳 Threadsに取り組むべきか
Threadsが大きくユーザを獲得している。
そんな状況中で、この1週間よく耳にしたのが、我々はThreadsに取り組むべきか?
個人的には余力があればやるべきだと思うと返答する。
余力がないなら、まだやらなくても良いが、アカウントはとっておいた方が良い、ブランド保護の観点から。
なんとなく、TikTokをやるべきか?に近い質問だと感じる。
ただ、Clubhouseをやるべきか?とは問い質問だと感じる。
TikTokは、新しい体験や層を獲得できるメディアだ。そこを提供したいならやるべきだ。
Clubhouseも新しい体験はできたが、結果論だがTwitterスペースが勝ったが経営の混乱からTwitterスペースが信頼できるか、という議論もある。
ThreadsはMeta社の本気を感じる動きがいくつか観測できている、そのためおそらくある程度の規模にはなるだろう、またここ数日のTwitterの混乱や収益が大幅に減少している状況から、ユーザの動向に目を光らせておいたほうが良いだろう。
# 🧠 AI関連ニュース
Exclusive: AP strikes news-sharing and tech deal with OpenAI
米国の通信社Associated Press(AP)とOpenAIが、ニュースコンテンツと技術の共有に関する2年間の契約を結んだ。
契約の一部として、OpenAIは1985年からのAPのテキストアーカイブの一部をライセンスし、AIアルゴリズムの訓練に使用する。
一方、APはOpenAIの技術と製品専門知識を利用できる。
多数の過去からコンテンツを持っているパブリッシャーはこうした提携をしていった方が良いと感じる、かってに学習される前に。
GizmodoなどのメディアブランドをG/O Mediaは、スタッフの強い反対にもかかわらず、AIによって生成された記事の公開を開始した。
しかし、記事は大幅な修正が必要で、スタッフたちは「私たちの評判と信頼性を積極的に損なっている」と批判している。
電通デジタルの瀧本恒社長は、生成AIを広告制作業務に取り込み、全社員に積極的に活用することを奨励しているとのこと。
# 🗾 国内注目ニュース
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フーモア、webtoon制作の成長加速を目的に米国SIG、KADOKAWA、MAPPA、NVCCなどより7.9億円の資金調達(株式会社フーモア)
漫画広告などを手掛けるフーモアは、SIG Asia Investment、KADOKAWA、MAPPAなどを引受先とした第三者割当増資と金融機関からのデットファイナンスにより、7.9億円の資金調達を実施したと発表。
いわゆる、ウェブトゥーン案件である。個人的にはこれらの投資が海外含めての展開も期待されていると感じる。 -
『おやすみプンプン』無料公開にアクセス集中し深夜のサーバダウン「夜通しで全話読んだ人間が野に放たれる七夕こわすぎる」(Togetter)
マンガおやすみプンプンの無料公開で、ビッコミがサーバダウンするという事態に。作品の力だと思うが、ある程度こうした事例はたくさんあるので対策はできなかったのかとは感じる。当然負荷テストと実際の負荷では違うので、なんとも言えないが。 -
セガサミーと「Renta!」のパピレス、縦型コミックに5年で20億投資(日経クロストレンド)
こちらもいわゆるウェブトゥーン案件。合弁会社を立ち上げプラットフォームを立ち上げるとのこと。出版業界が開発できなかったビジネス領域である。 -
「TBS NEWS DIG Powered by JNN」月間PVの過去最高を連続更新 ローンチから1年3か月で初の2億PVを突破(TBSテレビ)
TBSのネット戦略は本気だと感じる。マンガコンテンツもなく、このPVを達成しているのは正直驚いている。あと、改めてサイトを見回ったが、いわゆる芸能系のコタツ記事も数は多くないが厳選して作っている。 -
パブリッシャーの最新グローバルトレンドとメディアの価値を高める考え方【FLUX×Browsi共催イベント】(株式会社FLUX)
広告事業者のカンファレンスになるが、広告マネタイズとユーザー体験は両立可能というテーマでパネルディスカッションがされている。 -
集英社のファッションECが好調の理由とは? 売上よりも利益を重視した「ハッピープラスストア」の構造改革(ネットショップ担当者フォーラム)
セールから定価販売にシフトしたことで利益も改善したという取り組み。また、付加価値をつけていくことも語られており、出版社が抱えてるメディアのブランドや編集力で十分行えることだと感じる。 -
駅売店、かつての売れ筋「新聞・雑誌」が消える事情 店リニューアル時に販売縮小、切手やたばこも(東洋経済オンライン)
電鉄会社によってはキオスクを縮小していく流れになっている。その状況についての記事。雑誌と新聞はこうした流れに大きく影響を受けており、戻ることはない(売り場が増えることはない)中で次の一手を考える必要がある。
# 🌏 海外ニュース
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The Athletic finally shut down a newspaper’s sports desk — just not the one people expected(Nieman Journalism Lab)
ニューヨーク・タイムズは自社のスポーツ部門を閉鎖し、買収したザ・アスレチックをスポーツ部門として機能させることを発表した。 -
経営破綻のVice、大量解雇発表の翌日に役員に合計1億円超のボーナスを支払っていた(ハフポスト WORLD)
経営破綻したViceが、大量解雇発表後に役員にボーナスを払っていたというニュース。Viceの破綻は、正直経営のミスだと思っているので、こうした経営陣が破綻の原因だと感じる。ユニークな媒体であることから、再建に期待したい。
# 📕 出版に関するニュース
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新しい取り組みの背景と狙い(午郎’S Bar 6杯目)(株式会社ブックダム【公式note】
日販、紀伊國屋書店、CCCの取り組みから、各ステークホルダーの取分の話や日販の役割変更についての考えをまとめたnoteである。外からわかりづらい分野なので、理解するのに面白い論だと思った。 -
これからの出版業界の話をしよう(ウィスキーキラー)
同じく、三社の取り組みに関するnote。同じく、整理されたわかりやすい内容になっていることと、最後に書いてるしがらみを乗り越えて本を届けるということも大事だと感じる。
# 編集後記
連休は家にいるのが優勝です。
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。
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メディア
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