SmartNews傘下スローニュース Publidia #116
このニュースレターPublidiaは、10年近くウェブメディアや書籍系ウェブサービスに関わっているアヨハタが国内外の「出版」「メディア」に関する動向について紹介しています。
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今週もよろしくお願いします。多忙のため、省略版でお届けします。
ロイターのデジタルニュースレポートは来週やれたらやります。
# 今週のトップストーリー
🧠 今週のAI関連
漫画配信などを行うナンバーナインが漫画制作やWEBTOON制作でChatGPTなど対話型AIを活用できないか検討を開始するとのこと。
ジャンプもAI活用のサービスを出しているが、さまざまな場所で生成AI活用検討が活発になってきている。数年前のNFTのPoCに近い状況だと感じる。
雑誌およびデジタルメディア出版社の国際的な業界団体であるFIPPによる、FIPP World Media CongressでAIに関する議論の話題について。
また、多くのニュース編集部が効果的なAI戦略を欠いているため、AIを適切に活用するための明確な戦略が必要であると語られています。技術を判断できる人材不足という状況のようだ。
各メディアのChatGPTなどの活用事例について。
ワシントンポストは2020年にはAI活用したポッドキャスト配信を行なっている。ブルームバーグはAIベースのニュース作成ツールの開発、ニュースパブリッシャーのSemaforはStable Diffusionを視覚的に魅力がある記事作りに活用しているとのこと。
# 🗾 国内注目ニュース
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マンガ・アニメ市場拡大を象徴する講談社の米国向けマンガ配信とTBSのアニメへの取り組み(篠田博之)(Yahoo!ニュース 個人)
講談社のK MANGAとTBSのアニメ注力についての記事。TBSはグループのマンガボックスやWebtoonの制作会社との連携もしていくとのこと。 -
ヤフー、不正な“水漏れレスキュー”広告を排除 2022年度広告レポート(Impress Watch)
2022年度の広告サービスの品質向上に関するレポートを公開。Yahoo!が広告を非承認にした件数は約1億3,356万件と前年とほぼ同じ水準とのこと。健全化の取り組みをしているということで、不快な広告は減って欲しい。 -
Anique、シリーズAにて総額6.1億円の第三者割当増資を実施―日本を代表するマンガ/アニメ/ゲームIPの価値最大化をグローバル加速(GameBusiness.jp)
アニメや漫画のグッズ販売やNFTを絡めた企画を行なっているAniqueが2023年4月に総額6.1億円の第三者割当増資を実施した。
コンテンツ系では、Webtoonなど海外展開を見据えている企業の調達が目立つ。 -
Tポイントが消滅? 「新Vポイント」に賭けるCCCとSMBCの狙い(日経クロストレンド)
2024年春に統合される「Tポイント」と「Vポイント」の解説。
なんとなく、本件についてはあまり一般生活者にとってわかりやすい仕組みにならない気もしている。うまく統合、融合できるのか疑問しかない。 -
WE ARE BIAS BREAKERS. 先入観がひっくり返る。そんな体験を届けます。(SlowNews | スローニュース)
SlowNewsが再始動した。個人的に応援している。
課金要素はあるが、調査報道の対価も得るが、noteのメンバーシップ機能を使っており書き手のコミュニティ構築をしようとしているように感じる。 -
縦読み漫画で攻める起業家 革新へ世界の波に乗れ(日本経済新聞)
イラストや漫画制作でもう老舗といっても過言ではないフーモアが約6億3000万円の資金調達をおこなった。いわゆるWebtoonをお題目とした資金調達のようである。これも、海外展開を期待されてのことだと思われる。 -
公開後3時間まで新着有料記事の一部を無料で閲覧可能に(日経ビジネス電子版)
有料課金が肝であるため、興味がある人を集めるために良い施策だと感じる。
# 🌏 海外ニュース
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GoDigital wants to buy Vice Media(CNBC)
Vice Mediaの入札に、音楽のライセンスビジネスなどを行うGoDigital社が名乗りを挙げているというニュース。ただ、2023年6月22日にFortress Investment Groupが落札して、GoDigital社はVice Mediaを手に入れることはできなかった。 -
Acast launches tech integrating publisher paywalls and podcast platforms(PressGazzete)
ポッドキャスティング企業Acastは、既存のペイウォールをApple Podcastsなどのプラットフォームに統合できる新製品「Acast+ Access」を発表した。
ポッドキャストの配信プラットフォームは増えているが、課金領域はまだ決定打がない状況だ。 -
How ELLE is using a dynamic paywall and continuous optimisation to increase subscriber conversion rates(FIPP)
ファッション誌ELLEは、サブスク収入を増やすために、ダイナミックペイウォールと継続的な最適化を行なっている。
個人的に興味を持ったのがペイウォールの色などを定期的に調整し、ユーザの慣れを軽減することも行なっている。PDCAを意識した取り組みだと感じる、作ったら作りっぱなしで置いておかないことは大事だ。 -
グーグルが「新聞業界を破壊した」USAトゥデイ発行元が提訴(フォーブス ジャパン)
米国内の200以上の地方新聞を発行するガネットがGoogleの親会社アルファベットを提訴したとのこと。広告市場を独占し、ニュース業界に打撃を与えたという主張である。
若干言いがかりのように感じる。 -
Lemon8 を美容ブランドやインフルエンサーは「TBD」ととらえて参入(DIGIDAY[日本版])
TikTok運営会社ByteDanceが展開するLemon8であるが、順調に拡大しているようである。日本国内でもスタートしている。
それなりの資金を投入してインフルエンサーをかかえ拡大していってるようだ。 -
How Spotify’s podcast plan went off the rails(The Verge)
Spotifyのポッドキャスト戦略についての解説記事。先日レイオフも実行したが、これまで何をしていきて失敗したかなどが書かれている。
# 📕 出版に関するニュース
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雑誌「サイゾー」刊行頻度変更のお知らせ(サイゾーpremium)
サイゾーが季刊誌になる。無料版と有料版のウェブメディアを展開するサイゾーであるが、旬を求められる雑誌のため、季刊になることが良いのだろうかと感じる。 -
集英社 ファッションECの改革が進展 定価販売が定着し売上も再拡大へ(fashionsnap)
集英社のECサイト「HAPPY PLUS STORE」が好調とのこと。ターゲットユーザに向けた品揃え強化や、セールを抑制なども行なったとのこと。 -
大手3社の後を追って次々と中堅出版社がマンガへ参入する背景と実情(篠田博之)(Yahoo!ニュース個人)
中堅出版社のマンガ参入について。文藝春秋、主婦と生活社、マガジンハウス、光文社、新潮社のマンガの状況について詳細に書かれている。 -
集英社の女性ファッション誌『MORE』が月刊誌から年4回発行の季刊誌に(セブツー)
20代から30代のOLをターゲットとしたMOREが季刊誌に。今後はウェブメディアやセミナー事業に注力するとのこと。
雑誌の特性上季刊で良いのか思うところはあるが、ブランド力があり季刊で紙として価値のあるものを作り、日常的な情報提供はウェブメディアとうまく住み分けが成立するのかと感じた。
# 編集後記
副業でGA4の実装に関わってますが、GA4の思想がUA(以前のGA)と全然違うので、移行の大変さを感じます。
今週も読み終わった方は、押していただけるとうれしいです。
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。
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