Financial Times成功に導いた3つの決定 Publidia #176

Financial Times成功に導いた3つの決定や、オンラインメディアのプリント版出版について書いています
ayohata 2024.09.08
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 # Financial Times成功に導いた3つの決定

Financial Times(FT)のCEOであるジョン・リディングが、同社の成功を導いた3つの決定を振り返っている。

その3つの決定は以下のとおりだ。

  • 2002年におこなったオンラインコンテンツの有料化

  • 顧客との直接的な関係を構築するため、外部のアグリゲーションサービスからの脱却

  • 新聞の価格を大幅に引き上げたこと

FTを2015年に買収した日経新聞も有料化とアグリゲーションサービスの脱却は行っている。3の値上げは、FTが行った"大幅"と呼べるほどは行っていない。

個人的には、アグリゲーションサービスからの脱却は重要だと考える。
ただし、新聞社や雑誌社にとってアグリゲーションサービスが大きな収益になっている場合、ダイナミックな経営判断はおそらく難しいだろうと考える。
ただ、そうしたダイナミックな決断をできないのであれば、この先の未来は細るばかりだと感じる。

また、FTは学生(16歳から19歳の間)には無償で閲覧できるサービスも提供していたり、OpenAIとの提携も行っている。

若い世代との接点を持つこと、新興企業との提携関係などチャレンジをして生き残る方法を行った新聞社が生き残るのでは、と個人的には感じる。

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📻 音声配信のお知らせ

だいたい毎週、Catalyst by Publidiaというポッドキャストを配信しています。

SpotifyApple PodcastLISTENで聴くことができます。

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 # 🗾 国内ニュース

注目のニュース

  • ビジネス映像メディア「PIVOT」は、ChromecastやAmazon FireTVなどで視聴可能なAndroid TVアプリをリリースした。YouTubeの登録者は200万人を突破しており順調に成長している。広告事業も順調なようで、このTVアプリはタッチポイント増加や既存ユーザの利便性向上につながると考えられる(PIVOT株式会社)

  • 北海道テレビ放送(HTB)はServerless Operations社の支援で生成AIを活用した記事自動生成システムを導入した。それにより、50%以上のコスト削減を達成したとのこと。動画から記事の下書きを自動生成し、コンテンツ制作を効率化しているとのこと。こうしたAI活用は地方の新聞社や放送局で活用が進み始めているように感じる(合同会社Serverless Operations)

その他のニュース

  • こうして日本人の「新聞離れ」が進んでいった…「エモい記事」を大量に生み出した新聞記者たちの悲劇的な結末 ネットメディアの末路を見た元新聞記者が明かす"新聞の役割"(PRESIDENT Online)

  • 博報堂、Amazonでの広告効果を最大化 新モデルで分析(日本経済新聞)

  • CARTA MARKETING FIRM、「BeReal.」広告の取り扱いを開始 施策の支援も実施(MarkeZine)

  • 【国内初】株式会社アイモバイル、リアルタイムSNSアプリ「BeReal」と広告販売に関するパートナーシップを締結(株式会社アイモバイル)

  • クラシコム、売上高の65%稼ぐ最強アプリ 主戦場はWebからアプリへ(日経クロストレンド)

  • NFT価格、2年で10分の1 バブルの跡からビジネスの芽 価格は語る(日本経済新聞)

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# 🌏 海外ニュース

注目ニュース

  • Vox Mediaが隔週刊誌のNew York Magazineのサイトの1コーナーであるThe Cutのプリント版を発行する。他の印刷版を持っている雑誌と差別化した読者を抱えてることで実現した取り組みのようである。やはり、広告主にとっては印刷版での広告出稿のニーズはあるのだと感じる(ADWEEK)

その他のニュース

  • “アップルやエヌビディアがオープンAIへの投資に向け交渉” アメリカ複数メディア(NHK)

  • 多くの大手ウェブサイトは、Apple Intelligenceのトレーニングからオプトアウトしている(9to5mac)

  • Z世代に大ブームの写真SNS「BeReal」 広告配信の勝算(日本経済新聞)

  • 米 パブリッシャー の第2四半期、AI契約や広告市場の改善から明るい展望に(DIGIDAY[日本版])

  • Bluesky、急上昇を続け、数日で200万の新規ユーザー加入(TechCrunch)

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# 📕 出版に関するニュース

  • 紀伊國屋書店とCCCによる、旭屋書店および東京旭屋書店の株式譲渡契約締結に向けた協議開始のお知らせ(株式会社 紀伊國屋書店)

  • Barnes and Nobleは2024年に58店舗をオープンします(Fast Company)

  • Bookshop.orgが古本の買い取り制度を開始(The Guardian)

  • V字回復後の書店ブームに沸く英国で、熱視線を浴びる急進派書店とは【MY VIEW│清水玲奈】(Vogue Japan)

  • 本を書く、つくる、広めるために奮闘する人たちの研究所 『Book Lover LABO』 オープン(Sunmark Web)

  • マンガ誌『なかよし』最新号を無料配信 異例の決断の理由は 担当者を取材(2024年8月29日掲載)(日テレNEWS NNN)

  • マンガ業界初の試みを「MANGA Plus by SHUEISHA」にてスタート! 2024年9月1日以降に「少年ジャンプ+」で掲載する読切作品の英語版を全世界に向けて日本と同時配信!(株式会社集英社)

  • 株式会社桐原書店のグループインに関するお知らせ【株式会社Gakken】(株式会社 学研ホールディングス)

  • 学研ホールディングス、桐原書店を買収 英語教育で相乗効果狙う(日本経済新聞)

  • LINE Digital Frontier株式会社と株式会社イーブックイニシアティブジャパンが法人統合(LINE Digital Frontier)

  • 女性誌の販売部数日本一! 高齢者を知り抜く『ハルメク』独自のデジタル知見とは? 登録フォームには余計な任意項目を設けないことが鉄則(集英社オンライン)

  • 【詳報】集英社 第83期決算 デジタルや版権が伸長 売上高2000億円台確保(The Bunka News デジタル)

  • 大垣書店グループ方針発表会 RFIDタグ挿入強く呼びかけ(The Bunka News デジタル)

  • 部数トップの「りぼん」は11.8万部…少女向けコミック誌の部数動向(2024年4~6月)(不破雷蔵)(エキスパート - Yahoo!ニュース)

  • 【人事】講談社 機構改編と人事異動を発令(The Bunka News デジタル)

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# 編集後記

先日、話題になっていた「エモい記事」について、発信者と元関係者が話している動画を見ました。

極めて個人的な感想ですが、石戸さん古田さんの絡みがエモくてよかったです。

新聞社の経営の話に踏み込んで話がなされていたので、おもしろい議論だったと感じます。そして、改めて新聞社の役割というものが話されて、残す必要があると感じました。

それが、業界で集まって小さい取り込みでやっていくのか、国を動かしてやっていくのかいろんな選択肢があると感じますが、カナダフランスの動きをみると、もう業界の動きだけでは難しいのではと感じる部分はあります。

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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて総合メディアのディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。

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