TikTok運営会社の出版事業が立ち上がる Publidia #182
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# TikTok運営会社の出版事業が立ち上がる
TikTokを運営するByteDance傘下の8th Note Pressが、印刷書籍市場に進出し、人気の高いロマンスや若年層向けフィクションなどのジャンルに注力して2025年から書籍を出版予定だ。
8th Note Pressは2023年にByteDanceが立ち上げ、元ペンギンランダムハウスの編集者を雇ったという情報もNYTが伝えていた。
TikTokは「#BookTok」により多くの動画閲覧者を集め、米国ではそこからベストセラーも生まれており、その影響力は無視できない存在である。
8th Note Pressは、Zandoという2020年に立ち上がった出版社と提携して(リアル)書籍の販売を拡大していく目論見のようである。
NYTの報道では、扱うジャンルはロマンス、ロマンチック、ヤングアダルト小説が中心になるだろうと伝えられている。
すでにエージェント経由で契約をしている著者もいるらしく、契約の中ではTikTokのインフルエンサーを使ってプロモーションを行うという内容も盛り込まれているらしい。
TikTokは2022年にペンギンランダムハウスと提携もおこなっており、コンフリクトが出ないか気になるが、大きな動きである。
しかし、どこまで本気度があり継続していくのかは気になるところである。
日本では、スターツ出版のTikTok活用事例もあったり、なんといってもけんご氏などがTikTokの好例として思い浮かべる。
日本でも、レーベルが立ち上がるほどの勢いが出て欲しい。
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# 🗾 国内ニュース
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# 🌏 海外ニュース
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2023年、Financial Timesは初めて年間収益が5億ポンド(約975億円)を超えた。収益はすべての主要分野で成長し、広告収入は2012年以来最高となった。特にデジタル購読者数は130万人近くに達し、全世界での有料読者は257万人に上る。今後の目標は2028年までに有料読者を300万人に増やすことのようだ。アメリカ市場でも成長しており、イベント事業やB2B部門も好調となっている(Press Gazette)
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Googleの独占事業に関する裁判で、証拠が開示され、Googleが3つの独占事業を運営していたことが示唆された。短期的思考とオープンプログラマティック市場の受け入れが業界の問題を助長し、特にメディア業界はその影響を受けた。業界コンサルタントは、Googleに対する規制の欠如が市場を混乱させたと指摘している。
記事中でも、今後業界は過去の教訓から学び、未来のテクノロジーの影響に適応できるかが鍵となると伝えているが、果たしてその教訓を活かせるほどのリテラシーや未来を見据えてる人物はどれぐらいいるのだろうか(DIGIDAY[日本版])
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# 編集後記
秋の花粉で目と鼻が死んでます
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて総合メディアのディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。
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