Discoverもゼロクリックの対象へ Publidia #217
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最新回#38は以下になります。
# 📍 ピックアップ
今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。
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Discoverもゼロクリックの対象へ
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ストリーミング戦争はYouTube対Netflixの“二強時代”へ
Discoverもゼロクリックの対象へ
Googleは、ニュースフィード「Discover」において、AIによる記事要約機能の本格展開を開始した。iOSおよびAndroidのGoogleアプリ上で、米国ユーザーを対象にリリースされている。
この新機能は、従来のように単一のニュース媒体からの見出しやロゴを表示するのではなく、複数媒体から集めた記事をAIで自動的にまとめて表示する仕組みである。

In Google Discover, we find "Trending" cards with an AI Overview, several sources, a news summary, and a main article.
Clicking on the site icons takes us to a new "More" page with a Discover feed for these sites, on which the AI summary is based.
Discoverの新しいカード上部に、複数のニュース媒体のロゴとともにAI要約が表示されている。
カード左上の重なり合ったアイコンをタップすると、参照元となった記事リストが表示され、さらに「See more(さらに表示)」をタップすることで要約全文を読むことが可能である。
なお、要約下には「AIが生成しているため誤りがある可能性がある」と明記され、ユーザーへの注意喚起も徹底されている。
Googleの広報担当者はTechCrunchの取材に対し、「これはテストではなく正式な米国ローンチ」と明言。主にスポーツやエンタメなど、トレンド性の高いライフスタイル領域の話題が中心になると説明している。
GoogleによるAI要約機能の導入は、すでに検索トラフィックの減少に悩むパブリッシャーにとって新たな打撃となりそうだ。
AI Overviews(AIによる概要)やAI Modeなど、Googleがここ数年相次いで導入したAI機能により、検索ユーザーが元記事へアクセスする必要が減少する。これにより、多くのニュースサイトがアクセス数・広告収入の激減に直面している。
市場調査会社Similarwebのデータによれば、2024年5月のAI Overviews導入以降、「クリックの発生しないニュース検索(ゼロクリック)」の割合は56%から2025年5月には69%近くまで増加している。
オーガニックなニュースサイトへの訪問も、2024年中頃の23億回超から17億回未満まで減少したと報告されている。
これまでDiscoverはGoogle Searchに比べてトラフィック源として機能していたが、今回のAI要約機能の本格導入により、今後はDiscover経由の流入も減少する可能性が高まっている。
米国で先行してスタートしているAI Modeも、このDiscoverでのAI要約も日本に上陸する可能性は高いと考える。
自社メディアのトラフィック獲得に関して、Discoverへの依存が高いメディアも多いと思われる。AI要約がまったく影響がないことはないと考えるのが正しいと思われる。
結局、読者と繋がるための仕組みが必要と考えられる。当然ながら読者にとって価値があるものを提供できているという前提ではあるが。
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# 📕 出版関連ニュース
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# 📍 ピックアップ
ストリーミング戦争はYouTube対Netflixの“二強時代”へ
ニューヨーク・タイムズ(NYT)の報道によれば、YouTubeとNetflixは異なる戦略を持ちながらも、ユーザーの「テレビ画面」をめぐり激しい主導権争いを繰り広げている。
2025年5月の米国におけるテレビ視聴時間の合計20%がYouTube(12.5%)とNetflix(7.5%)で占められ、かつて僅差だったシェアはYouTube優位へと拡大している。
Netflixは自社制作の“クローズド型”モデル、YouTubeは誰でも投稿できる“オープン型”という違いを持つが、YouTube出身クリエイターをNetflixが取り込む動きも顕著になっている。
今や両社のトップも互いを意識し、NYTは「視聴者主義」時代の新たな覇権争いが本格化したと伝えている。
# 編集後記
Switch2買えました。

老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて広告関連の担当や子会社事業のメディア担当ディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。
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