新聞協会ら生成AI開発で声明 サイトの対応は? Publidia #123

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ayohata 2023.08.27
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このニュースレターPublidiaは、10年近くウェブメディアや書籍系ウェブサービスに関わっているアヨハタが国内外の「出版」「メディア」に関する動向について紹介しています。
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今週もよろしくお願いします。

日々、AI関連で動向があります。
冒頭で、ウェブメディアに関わられてる方向けにクローラーの拒否などについて書いています、ぜひ参考にいただければと思います。

また、先週告知したサポートメンバーですが、既に加入いただいた方はありがとうございます。
自分の想定以上の加入者に驚いています。

引き続き、お役に立てるように情報や視点の提供ができればと考えています。

***

# 🗞 新聞協会ら生成AI開発で声明 サイトの対応は?

日本新聞協会、日本雑誌協会、日本写真著作権協会、日本書籍出版協会の4団体が生成AIについて、著作権保護のための声明を出した。
詳細は声明本文を読んでいただきたい。

この生成AIのために、クローラーbot(以後bot)がウェブサイトに訪れて取得していくが、そのコントロールができる。OpenAI社はその方法を開示している。

では、新聞社はそのbotのコントロールしているか気になって調べてみた。

調査方法は簡単で、各サイトのルートディレクトに配置されているrobots.txtに該当の記述があるかを確認するだけで、誰でも調査可能な方法である。
設定方法は、SEOで有名な鈴木健一氏のブログがわかりやすく説明している。

結果は以下の通りだ。

※このデータは2023年8月25日時点のデータとなります

※このデータは2023年8月25日時点のデータとなります

結論、日経新聞と読売新聞が対応している。読売新聞に至っては、他のAI botも拒否しており、抜かりがない。
また、毎日新聞は制御用のファイルであるrobots.txtが準備されていない。それ自体に大きな問題はないが、ないサイトをみるとたまに不安になる。
robots.txtはSEOにおいてや負荷対策などのために必要になる局面があるが、そういう局面がなかったのか、少し疑問ではある。

また、私が関わっている現代ビジネスはすでにbotの拒否の対応を完了している。

個人的に、今回のような声明を出すのも大事だと思うが、現場レベルに対応するように指示していないもしくは間に合ってない状況に、日本の新聞社のデジタルへの対応の遅さをとても感じる。

# 📖 読了率はKPIになり得るか

株式会社真摯のブログで、面白い記事が出ているので紹介したい。

わかりやすい文章なのでぜひ読んでいただきたいのだが、大筋かいてることは以下の通りである。

  • 読了率によってコンテンツの品質評価はできない。また読んだ、ということを担保できない数字である

  • 行動喚起を評価する指標ではない

また、記事の最後にメディアビジネスにおいての読了率の考え方も示されており、とても良い内容である。

私自身は、読了率は編集者や著者のモチベーションのためにあっても良いと思う。また、記事でも書かれているが、文章をちゃんと読むユーザがいる証明にもなるので、そうした営業ツール的な扱いとしてあっても良いと思う。

また、KPIの考え方についても本記事で言及されているが、行動喚起や事業上のインパクトがないKPIを置くことの重要性も考える必要があると思う。

 # 🧠 AI関連ニュース

AP通信は、記者がAIを使って記事を書くことを許可しない方針を決定したとのこと。
また、情報ソースなどの確認の徹底するようにとガイドラインを示しているとのこと。

ただし、AP通信が生成AIなどに拒否感を示しているわけではなく、OpenAI社と契約しておりAP通信の過去コンテンツの学習を許可している。

ニューヨーク・タイムズがOpenAI社の提訴を検討しているとのこと。先日、利用規約にデータの収集を禁止する条項を追加したところである。

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 # 🗾 国内ニュース

注目ニュース

  • 小学館は、動画配信関連事業を手掛けるCandeeの全株を取得した。Candeeは2015年に創業し、ライブコマースやVtuber事業を手がけている。2017年に24.5億円の大型資金調達を行っていた
    個人的な感想だが、動画系の事業はTikTokやYouTubeのプラットフォーマーは成功しているが、動画配信、制作事業はうまくいっていないところも多い印象はある。VTuber関連はフォーカスしている事業者は上場まで辿り着いているが、プラットフォーマーにならないと旨味は少ないものなのだと感じる。

  • X(旧Twitter)が自動投稿されたポストについてはリンク付き画像だけ表示する可能性があると報道されている
    あくまで、自動投稿だけの対応と思われる。ただし、今後メディアにとってX(旧Twitter)は便利なツールからスーパーアプリに向かっていくと思われる。

その他のニュース

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# 🌏 海外ニュース

注目ニュース

  • New York Timesの広告責任者Joy Robinsへのインタビューで広告展開について語っている。
    スポーツニュースのThe Athletic、買収したゲームのWordleなどのプレミアムな広告の獲得について語っている。

  • DIGIDAYで、X(旧Twitter)のCEOリンダ・ヤッカリーノのインタビューからの分析記事がでている。インタビューはCNBCで行われたものだ。
    ヤッカリーノとマスクの役割分担なども語られており、お互い信頼して物事を進めているようだ。プロダクトやブランディングはマスク、その他バックオフィスやビジネスはヤッカリーノ。つまり、マスクのやりたいようにプロダクトは作られていくとも読める。

  • メディア、技術、研究分野の著名人が、フェイクニュースやアルゴリズムによる説明責任といったグローバルなインターネットの課題に取り組むことを目的としたCenter for News, Technology & Innovation(CNTI)を設立するために300万ドルを調達した
    Googleニュースの担当役員もこの会のメンバーに入っており、Googleも資金を出している。

その他のニュース

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# 📕 出版に関するニュース

注目ニュース

その他のニュース

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# 編集後記

サポートメンバー向けに調査メモを共有しました。
こんな情報知りたい、という方もいればこのニュースレター自体に返信などいただけると嬉しいです。

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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。

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