AIのコンテンツ利用ルール形成を目指す団体が米国で設立 Publidia #227

今回はAIのコンテンツ利用ルール形成を目指す団体が米国で設立ついて書いています。
アヨハタ 2025.09.28
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 # 🚩 トップニュース

トランプ政権は、TikTokの米国事業をオラクルや投資ファンド連合に移管し、米国主体で運営させる方針を発表した。取締役の過半数は米国人とし、中国親会社ByteDanceの出資比率は20%未満に抑える。
米政府は拒否権行使などの直接関与はせず、セキュリティ対策とデータ管理をオラクルが担う。一方、中核技術であるアルゴリズムは中国からライセンス供与を受ける形となり、完全な切り離しには至らない。
投資家にはオラクル創業者エリソン氏、デルCEO、さらにメディア王マードック親子が関与する可能性がある。売却期限は12月16日まで延長済みだが、承認や審査に時間を要し、さらに遅れる見通しもある。米中対立や表現の自由への影響など懸念は残るものの、政権は合弁会社が米国法に準拠して運営されると強調している。
2023年、バイデン政権下で成立した規制法によりTikTokの中国資本での継続を禁じ、国家安全保障上の懸念から売却を迫っていた(The New York Times)(日本経済新聞)

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 # 📍 ピックアップ

今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。

  • AIのコンテンツ利用ルール形成を目指す団体が米国で設立

AIのコンテンツ利用ルール形成を目指す団体が米国で設立

AI時代におけるコンテンツ利用のルール形成を目的に、新たな標準「RSL(Really Simple Licensing)」と非営利団体「RSL Collective」が米国で設立された。

AIクローラーに対しては、従来robots.txtでの制御が「許可・不許可」の二択だったのに対し、RSLは無料利用、購読、ペイ・パー・クロールやペイ・パー・インファレンスなど多様なモデルを機械可読で指定できる。
仮にこのルール下で運用されれば、パブリッシャーやクリエイターはAI利用に応じた公正な対価を得やすくなり、AI企業も利用状況に応じた柔軟なコスト調整が可能となる。

RedditやYahoo、Medium、O’Reilly Mediaなど有力企業が初期サポーターとして名を連ねている。

AIによるコンテンツ利用でパブリッシャーの収益基盤が揺らぐ中、RSLは出版社に新たな収益源を提供し、AI企業には透明性と法的リスク回避をもたらす「共存モデル」として注目したい。

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 # 🗾 国内ニュース

  • CCCが「AI増田宗昭」開発 創業者の分身が経営アドバイス(日本経済新聞)

  • 毎日新聞社〝推し〟応援広告スタート(The Bunka News デジタル)

  • 口コミサイト→店舗売上450億円。@cosmeが進める業態転換と広告事業の再成長(Tech Growth letter)

  • 生成AIで91%が『生産性向上』、68%がコンテンツの『品質向上』を実感。半数以上が『仕事が楽しくなった』と回答も──編集者100人の回答から見えた生成AIの効果(StoryHub株式会社)

  • ネット記事の安全性高めるOP技術、専門家「意義大きい」「選挙で信頼できる情報選びやすく」…京都会議 : 読売新聞(読売新聞オンライン)

  • 「情プラ法」が問うネットの自浄作用、LINEヤフー対策拡充を急ぐ - 日本経済新聞(日本経済新聞)

  • オトナル、Z世代の「聴く」を調査。音と各種メディアの利用実態レポートを公開(株式会社オトナル)

  • 「デジタル広告業界の課題はそう簡単には尽きない」―「広告主等向けガイダンス」を発表した総務省に聞く[インタビュー](ExchangeWire Japan)

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# 🌏 海外ニュース

  • 「クローム」にAI統合 情報要約、米で提供開始―グーグル(時事ドットコム)

  • なぜエコノミスト誌はAI関連取引を行わないのに、Substackでサービスを開始したのか(Press Gazette)

  • トランプ氏、マードック家がTikTokの投資家に加わる可能性を示唆(The New York Times)

  • Google、Discoverページを刷新しクリエイターからのコンテンツを表示(TechCrunch)

  • ドイツのメディアグループがGoogleのAIサマリー機能に対して苦情を申し立てる(Press Gazette)

  • 司法省対グーグル:開廷弁論で、司法省とグーグルがAdX売却を巡り対立(AdExchanger)

  • マイクロソフト、Copilotでパブリッシャー向けAIマーケットプレイス構築を目指す(Axios)

  • Marie Claireの発行元Future、新クリエイタープログラム「Collab」を開始(Axios)

  • Wiredのジャーナリストがインフルエンサーになるにつれ、購読数が急増(ADWEEK)

  • Financial Timesは、2024年の世界的な収益が5億4000万ポンドに増加したと報じた(Press Gazette)

  • メディアの未来は体験にある(キメラ)

  • People Inc. CEO Neil Vogel:Googleは出版社コンテンツに対するAIの姿勢を変える必要がある(Media Voices)

  • The New York TimesのAIニュースルーム戦略の内幕(Digiday)

  • SSPは絶滅の危機に瀕している――大胆な差別化だけが救いの道だ(AdExchanger)

  • トレードデスク がSSPを一律「リセラー」扱い インデックスCEOが「無知」と猛反発(DIGIDAY[日本版])

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# 📕 出版関連ニュース

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# 編集後記

毎週、AIの話題を取り上げてる気がします。

自分でもAIの話題しかないのか、と思いますが活用事例や契約、ルール整備なりパブリッシャー保護のための動きがいろんなところで動いてる部分もあるのかなと思います。

とりあえず、国内でも色々と大きな動きがある話も聞こえているので、AI企業とパブリッシャーとの関係については色々と動きはあると思います。

また、それと同時に読者側の動きも見ていかないと、捉え切れないところはあるので、そこも難しさを感じます。

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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて広告関連の担当や子会社事業のメディア担当ディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。

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