公開創設2年で月間収益50万ドル、米国メール配信メディア「The Flyover」の戦略 Publidia #223

今回は公開創設2年で月間収益50万ドル、米国メール配信メディア「The Flyover」の戦略、
WiredとBusiness Insider、AI生成疑惑の記事を削除について書いています。
アヨハタ 2025.08.31
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 # 🚩 トップニュース

朝日新聞社と日本経済新聞社が米Perplexity AI社を共同提訴し、各22億円の損害賠償を求めている。
同社は記者が時間と労力をかけて作成した記事を無許諾で収集・利用し、さらにペイウォール内の有料記事まで対象としている。技術的な利用拒否措置も無視され続けている状況だ。
特に深刻なのは、記事と異なる虚偽情報を新聞社名と併記して表示する行為で、これは報道機関の信頼性を根本から損なう。Perplexity社は「誤解」と釈明するが、米国でも同様の訴訟を抱えており、グローバルな問題となっている。読売新聞も同社を提訴済みで、業界全体での対応が加速している。(朝日新聞社)(日本経済新聞)

米Anthropic社が作家らから起こされた著作権集団訴訟で和解に合意し、米国の大規模AI著作権訴訟で初の決着となった。同社は海賊版サイトから700万冊の書籍を無断ダウンロードしてAIモデル「Claude」の学習に使用したとして提訴されていた。
損害賠償額は最悪の場合、1兆ドル超の支払いを求められる可能性があり、これは同社のみならずAI業界全体を「破滅させる」レベルとされていた。6月には適法に購入した書籍での学習は「フェアユース」として認められる判決も出ていたが、海賊版利用については別問題として残されていた。
和解条件は9月3日まで非公開だが、この決着は他の進行中のAI著作権訴訟40件余りに大きな影響を与えるだろう。(日本経済新聞)(The Verge)(TechCrunch)(Futurism)

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 # 📍 ピックアップ

今回は以下の内容をピックアップして紹介しています。

  • 公開創設2年で月間収益50万ドル、米国メール配信メディア「The Flyover」の戦略

  • WiredとBusiness Insider、AI生成疑惑の記事を削除

公開創設2年で月間収益50万ドル、米国メール配信メディア「The Flyover」の戦略

米国のメール配信特化型ニュースメディア「The Flyover」は、2023年4月の創設から2年で25名のフルタイムスタッフを抱え、月間収益50万ドルを達成している。

The Flyoverの特徴は「州ファースト戦略」だ。全国メディアが軽視しがちな州レベルのニュースに焦点を当て、現在9つの州別版と1つの全国版を展開している。週51回のメールニュースレターを250万の読者に配信し、さらに週8本のポッドキャストも制作する。
創設者のガイ・ショート氏は「州レベルのニュースは競合が少なく、読者獲得コストが低い」と戦略の効果を説明する。

ビジネスモデルは収益の97%を直接販売広告に依存し、1日あたり30本近くの広告を掲載する。読者1人の獲得に0.54ドルを投資し、5.76ドルの広告収益を生み出す。残り3%は読者からの自発的な寄付で、中には数十万ドルを寄付する読者も存在する。

The Flyoverの成長を支えているのは、読者との関係だ。
創設初期にショート氏自身がすべてのメールに返信していた姿勢は、現在も専門チームによって継承されている。「友達の年齢差について悩みはありますか?」といった個人的な質問を投げかけ、すべての回答に丁寧に返信する。読者からは「こんなに丁寧に返事をもらえるとは思わなかった」という驚きの声が寄せられている。

また、登録時に収入や年齢、関係ステータスなどの詳細な読者調査を実施し、このファーストパーティデータを活用してターゲティング広告の精度を高めている。このデータは他企業への販売収益源としても機能している。

米国では The Flyover 以外にも先行してメールニュースレターが登場している。
朝のニュース要約に特化した「Morning Brew」、テクノロジー分野に特化した「The Information」、政治専門の「Politico Playbook」など、それぞれが読者層を開拓している。

日本でも今後、同様のメール配信特化型メディアが登場する可能性がある。
ただし、現在の日本ではブログサービスを利用したスタイルが多い。これらは基本的にWebサイトでの記事公開をベースとし、メール配信は補助的な機能に留まっている。

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 # 🗾 国内ニュース

  • Google、日本を含む180以上の国でAI Modeを一般公開。ただし検索言語は英語(一瞬だけ日本語でも使えた)(海外SEO情報ブログ)

  • Google検索の「AIによる概要」でメディアは大打撃、クローラー課金は救世主となるか(日経クロステック)

  • 「AI検索でトラフィックは減らない」は本当? Xは83%減、Facebookは60%減。過去6年でどう変化?【1週間まとめ】 - 8/9~8/22のWeb担の記事まとめ(Web担当者Forum)

  • 生成AIの記事無断利用、著作権法に「隙」 探る最適解(日本経済新聞)

  • 生成AIを活用した「ヤフコメ記事」の配信を開始しました(Yahoo!ニュース)

  • 多様化するコンテンツマーケティングの現在地〜期待する効果と評価指標のあり方〜|第10回クオリティメディアコンソーシアム オンラインセミナーレポート(講談社Cステーション)

  • フジテレビからCMを撤退したのに不適切だらけのネット広告は放置でいいのか?~広告主企業は「経営問題」と捉えて対応を~【調査情報デジタル】(TBS NEWS DIG)

  • AIが記事を選び、見出しを生成・編成――担当者が語る「AIトピ」実現の道のり(news HACK by Yahoo!ニュース)

  • Z世代の未来をつくる新経済メディア『Future Leaders Hub』を創刊(株式会社扶桑社)

  • 【特別企画】メディアジーン 今田素子社長に聞く 月間3000万人ユーザーメディア / イノベーション創出の場を提供(The Bunka News デジタル)

  • AIはコンテンツマーケターのロボットスーツ。歴20年超の中山氏×ツール開発者で語る生成AI時代の戦略(MarkeZine)

  • AI時代に「クソコンテンツ」は通用しない! SEO評価と信頼性を両立する絶対条件(Web担当者Forum)

  • アニマックス、キッズステーションを吸収合併 法人としてのキッズステーションは解散へ(gamebiz)

  • ヤフコメ投稿者を「フォロー」できる機能を提供開始しました(Yahoo!ニュース)

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# 🌏 海外ニュース

  • GoogleのAIモードが世界的に拡大、新たな能動的機能を追加(TechCrunch)

  • Google AI機能がパブリッシャー収益を圧迫、検索トラフィック10%減の深刻な実態(Media Innovation)

  • Onionの印刷媒体への大勝負が実を結ぶまで(WSJ)

  • 米メディアFOXが動画配信サービス 平均年齢69歳、視聴者若返り急務(日本経済新聞)

  • スポティファイが値上げ計画、新サービス導入へ=FT(ロイター)

  • SpotifyがDM機能を追加します(The Verge)

  • Fivespan PartnersがNew York Times株を取得、AIサブスクリプションの成長を推進(Axios)

  • 地方のニュースルームはAIチャットボットを迅速かつ低コストで構築している(Nieman Journalism Lab)

  • 生成AI出遅れのアップル、パープレキシティ買収を検討…企業価値2・7兆円か(読売新聞オンライン)

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# 📕 出版関連ニュース

  • 【決算】PubteX 4期決算は大幅増益も 今期は積極投資で減益見込む(The Bunka News デジタル)

  • 「楽天Kobo」タンブリンCEO 日本でのサブスクサービス「出版社との交渉開始」 Rakuten AI Optimismで公表(The Bunka News デジタル)

  • 博報堂、集英社・講談社・小学館と連携しZ世代向けの商品やサービスを開発し、コミュニケーションまでを一気通貫でサポートするマーケティングサービス「Z習慣EDIT」を提供開始(株式会社博報堂)

  • 「セリフなし漫画」で海外クリエーター発掘 KADOKAWAがコンテスト(日本経済新聞)

  • 大阪・梅田「阪急古書のまち」、小林一三の願い息づく インバウンドも来店(日本経済新聞)

  • 生成AIで読書体験を拡張と深化(書籍QAサービス「Bookleverage」)、NTTドコモ「本読みプロジェクト」をフィールドに実証スタート(Qureka株式会社)

  • 富士山マガジンサービス<3138>、時計専門誌出版のシーズ・ファクトリーを子会社化(株式会社ストライク)

  • 書店が減って本も売れていないのは日本だけ?!(日経ビジネス電子版)

  • 書店の利益率を10%改善する「小売業なら当たり前」の仕組み(日経ビジネス電子版)

  • なぜいま本のヒットチャートなのか ビルボードが可視化する過去・現在・未来 - 本の惑星(Spotify)

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 # 📍 ピックアップ

WiredとBusiness Insider、AI生成疑惑の記事を削除

米大手メディアのWiredとBusiness Insiderが、AI生成の疑いがある記事を相次いで削除する事態が発生した。「Margaux Blanchard」という架空のフリーライター名義で投稿された複数の記事が、実在しない人物や場所を扱った創作記事だったことが判明している。

Wiredの結婚式記事では約2,500ドル、Business Insiderのエッセイでは約230ドルの原稿料が支払われたとみられる。各社は「編集基準を満たしていない」として記事を削除し、検証プロセスの見直しを表明している。

この事件は、AI技術の普及により従来の事実確認体制が限界を迎えていることを浮き彫りにした。
特に予算制約のある中小メディアでは、深い取材を要する記事の検証が困難になっており、業界全体でのガイドライン策定が急務となっている。

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# 編集後記

Yahoo!ニュースでインタースティシャル広告が表示されるようになり話題になっています。

今まで提供元サイトより広告が少なくてみやすいという評判もあったYahoo!ニュースが、このような広告を出し始めたことに終わりの始まりを感じます。

Yahoo!ニュースの画面

Yahoo!ニュースの画面

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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて広告関連の担当や子会社事業のメディア担当ディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。

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