ロイターのデジタルニュースレポート2023 Publidia #115

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ayohata 2023.06.18
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途中でも書いてロイターのデジタルニュースレポート2023が公開されたので読み込んで、次回に感想など書きたいと考えています。

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# 今週のトップストーリー

🤖 MIT Technology Reviewの改革と編集部のマインドチェンジ 

先日開催されたFIPP World Media CongressにてMIT Technology ReviewのCEO Elizabeth Bramson-Boudreauが語ったデジタル変革の話を紹介したい。

MIT Technology Reviewは、2015年までは紙版のみでSNSアカウントもない状態であった。そうした中でCEO主導で改革が行われた。主に行われたのは以下2点。

  • 広告モデルからサブスクリプションシフト

  • 注目を集める記事ではなく、ターゲットを意識した記事づくりへ編集部への浸透

この記事の中で編集部のマインドチェンジが大変だったと強調されている。
PVを上げても広告単価が下がれば収益は安定しない、当たり前だがそうしたロジックは理解されづらい。日々の数字の共有と、特に数字は理由がなく上がったり下がったりしない、神風は吹かないという理解をしてもらう必要があると感じる。

🗞 ロイターのデジタルニュースレポート2023

ロイターのデジタルニュースレポート2023に関する記事である。(原本がまだちゃんと読めていないので、次回自分も読んだ感想など書きたいとは考え中)

The Fixのこの記事では、TikTokのニュース利用が増加、Facebookの利用が減少と書かれている。また、Instagramも引き続き存在感はありつつ、Twitterも社内の混乱はあるが存在感はある。

そして、着目したいのがニュースサイトなどのウェブサイトやアプリから見ている人の割合は、5年前の32%から現在は22%に減少しているということである。
これは、日本でも想像しやすい。
要は、ニュースはY!ニュースやSmartNewsなどからの閲覧が多いということだ。

また重い課題として、特に若者の間でニュースを避ける傾向は依然として高いとのこと。

PVなどが計測されているダッシュボードを見るだけでは見えてこない課題に、ニュースメディアは引き続き向き合う必要があると感じる。

🧠 今週のAI関連

今週から、メディア出版に関わるAI関連の記事だけ抜粋していく。

週刊少年ジャンプのChatGPT活用事例。先日リリースされた「Comic-Copilot(コミコパ)」についての話題である。

コミコパは、テーマやキャラクターのネーミングを考えてくれたりサポートをしてくれる。
あくまで担当者は、補助ツールであると話す。

ライブドアニュースがAI要約機能のβ版をリリース。
ライブドアニュースの過去10年分の要約データを事前に学習しており、ニュース記事を3つのポイントに要約した独自の見出しを生成できるとのこと。
最初はグループの媒体を中心に活用、おそらくlivedoorニュースに配信している他社のメディアへの拡大もしていくと読める。

EUが人工知能(AI)規制案を採択した。
規制案はAI製コンテンツの明示や、違法なコンテンツの作成を防ぐモデルの設計や生成AIに学習させた著作物の開示も義務付けとなる。

完全適用は2026年ごろになる見通しと少し時間がかかる。

GDPR(EU一般データ保護規則)同様に、EU地域所在ユーザに提供する場合に守る必要が出てくる模様。

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 # 🗾 国内注目ニュース

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# 🌏 海外ニュース

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# 📕 出版に関するニュース

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# 編集後記

最近読んだ以下の記事がおもしろかったのでシェアします。

優れたUXだけでは市場を制することはできないという内容です。価格と流通(認知ルート)が重要という内容です。
主にSaasをターゲットした文章になっているのですが、メディアやニュースのサブスク製品の場合、この話が当てはまらない場合があるなと思いながら読んでいました。

Saasなどソフトウェアは、ユーザの何かしらの課題解決をします。例えば、予算管理をしたい、社員の勤怠管理をしたいなど。そうした場合、複数の製品を並べて比較し、価格や流通の中での評判というのはとても重要です。

例えば新聞のオンライン版のサブスクとした場合、ユーザにとって契約して得られる価値(得たい価値)はニュースを日々取得できることだとする。
その場合、大手新聞社に大きな記事の違いがないと考えると、判断基準として価格は大事だとなってくると思います。ただし、新聞の場合は過去どの新聞を撮っていたか、どの球団が好きかなどそれ以外の要素もそれなりに関わってくると考えます。

ただ、趣味の領域のサブスク製品の場合は、提供価値がサービスごとで違う場合もあるため、自社で競合と思っているサービスが本当に競合なのかは考えた方が良いとおも思います。

ただ、本記事自体は加入の話がメインのため、継続についてはまた別軸で消費者の継続解約の意思が決まるので、その点も考慮が必要だと思われる。

今週も読み終わった方は、押していただけるとうれしいです。

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。
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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。

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