広告収益が60%減少する可能性も、プライバシーサンドボックス Publidia #168

プライバシーサンドボックスの分析結果、小学館の新会社、GQの新戦略について書いています
ayohata 2024.07.07
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非エンジニアの方でも、技術やIT部門と接する方にもお勧めしたいイベントです。登壇はしませんが、私も参加予定です。

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# 広告収益が60%減少する可能性も、プライバシーサンドボックスは導入されるのか

今年の4月に、2024年中のGoogle Chromeのサードパティークッキー廃止の延期が発表されている。Googleが提案するブラウザにおけるプライバシー保護のための一連の技術と取り組みであるプライバシーサンドボックスについて、またよくないニュースが出てきている。

IAB Tech Labのプライバシーサンドボックスタスクフォースは、デジタルメディア業界やGoogleにとって不安を抱かせる分析結果を発表した。

IAB Tech Labによると、プライバシーサンドボックスが中小メディア企業の競争力を制限し、業界の成長に悪影響を与えると指摘している。
Criteoのテストによると、プライバシーサンドボックスが現状のまま導入された場合、パブリッシャーの収益は平均で60%減少する可能性があるとされている。
また、Googleの支配力がより高まり、Googleに依存する事業者が増える可能性があると報告されている。

また、プライバシーサンドボックスの影響で広告表示の遅延も起きて、読み込み時間が長くなり、ユーザーの閲覧体験にも悪い影響があるとも言われている。

また、今年4月に英国の英国規制当局はプライバシーサンドボックスに関する報告書を発表し、多くの問題があると書かれており、その問題を解決する必要があると警告している。

何度も延期をしているサードパーティークッキーの廃止だが、いよいよ雲行きが怪しくなっている。
解決するためのソリューションは色々と出ているが、多くの事業者が対応をできていないようでもある。
プライバシー保護にもなるので、導入にメリットはあるのは確実だ。しかし、現状広告収益の低下もありそこから下がる可能性があれば、現実的ではないと考える。
しかし、各地域でプライバシーに関する規制が厳しくなってくる中でGogoleとしてもいつかは対応すると思われるので、広告収益低減にならないように準備はどちらにしろ必要である。
また、広告収益に依存しないビジネスモデルの確立も必要だ。

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📻 音声配信のお知らせ

だいたい週3回(最近はほぼ週2回)、Catalyst by Publidiaというポッドキャストを配信しています。

今週は、忙しく配信ができなかったので来週から配信再開したいと思います。

SpotifyApple PodcastLISTENで聴くことができます。

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 # 🗾 国内ニュース

注目ニュース

  • 有名人を偽る投資詐欺広告により被害を受けた4人が、Metaの日本法人に約2300万円の損害賠償を求めた訴訟が始まる。Meta側は責任を否定した(ITmedia NEWS)

  • 小学館と丸紅が、日本のマンガやアニメを世界展開するための新会社「株式会社MAG.NET」を設立した。小学館、丸紅、丸紅フォレストリンクスが共同出資し、代表取締役には小学館の相賀信宏社長が就任した。小学館のグループ会社Tokyo Otaku Modeが流通部分を担当する (アニメーションビジネス・ジャーナル)(丸紅)

  • X(旧Twitter)に配信されている Google 広告の背景について、リスティング広告などを手がける川手氏により解説されている。XとGoogleと連携した背景なども詳細に解説されている(PPC-LOG)

その他のニュース

  • LINEヤフー、ネイバー委託を25年終了 情報漏洩で報告書(日本経済新聞)

  • TVerとビデオリサーチが合弁会社「株式会社TVer DATA MARKETING」設立へ、データガバナンスを強化したマーケティング基盤を提供(Musicman)

  • フジテレビがNetflixとライセンス契約、ドラマ・バラエティなど190の国と地域に配信(映画ナタリー)

  • ミンカブ、生成AIで動画記事を配信する「livedoor ECHOES」開始(Media Innovation)

  • インスタなどのAIラベル、誤解を招く「Made with AI」表記を変更(Impress Watch)

  • 音声広告、ポッドキャスト配信、進化を続けるラジオアプリ「radiko」が見据える最終形態(@DIME)

  • スウェーデンのポッドキャストプラットフォームAcastがオトナルと提携して日本進出(podnews)

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# 🌏 海外ニュース

注目ニュース

  • Conde Nastが運営するBritish GQは戦略を変更した。具体的には、「アルゴリズムに餌を与える」戦略を止め、より慎重なコンテンツ制作へシフトした。
    新しい戦略は短期的な利益よりも長期的な読者の関与を重視し、エンゲージメントを高めている。その結果、GoogleのAI Overviewsにも対応可能と語る(Press Gazette)

  • LINEマンガを運営するLINE Digital Frontierの親会社、WEBTOON Entertainmentが米ナスダックに上場た。上場を記念し、NYタイムズスクエアでセレモニーが開催され、日本の人気webtoon作品が巨大ディスプレイに表示された(ORICON NEWS)

  • Time社がOpenAIと複数年のコンテンツライセンス契約と戦略的パートナーシップを締結した。この契約により、OpenAIは過去101年間のTimeのアーカイブとリアルタイムのコンテンツにアクセスし、ChatGPTなどの製品で利用できる(Axios)

  • Businessweekの編集長は、印刷した雑誌ジャーナリズムが復活する可能性を信じており、95年の歴史を持つ同誌が週刊から月刊に移行したと述べた。新しい月刊版は、長文の記事と高品質の紙を使用しており、読者にとっての「集中できる贅沢」を提供している(PressGazette)

  • 2024年のパブリッシャーは収益源の多様化に注力している。Conde Nastなどのエグゼクティブたちは、アフィリエイトコマースやeコマースの重要性を評価しつつ、グローバルなビジネス展開を進めている。特に米国市場での成長を目指し、新たなパートナーシップやライブイベントを通じて収益を拡大している(DIGIDAY[日本版])

その他のニュース

  • LinkedIn 、新しいプログラムで広告収益をパブリッシャーと50:50で分配(DIGIDAY[日本版])

  • NYTのハンナ・ヤンが定期購読売上や、国際市場、ニュースバンドルについて語る(Media news)

  • ChatGPTが提携先のメディアの帰属リンクに不正確なURLを張り批判を受ける(Nieman Journalism Lab)

  • 今年のロイター研究所レポートをチェック【Media Innovation Weekly】7/1号(Media Innovation)

  • メディア各社が頭脳ゲームに続々参入 読者獲得の切り札に [朝デジで読むNYタイムズ](朝日新聞デジタル)

  • 報道各社は、Perplexityの盗作と非倫理的なウェブスクレイピングを非難している(TechCrunch)

  • Goodreadsの共同設立者が手がけるSmashingは、AIと人間の推薦を利用してウェブのベストをキュレーションする(TechCrunch)

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# 📕 出版に関するニュース

  • 日仏の老舗出版社が業務提携を発表(株式会社講談社)

  • 【続報】KADOKAWA 既刊出荷3分の1に 大規模システム障害で(The Bunka News デジタル)

  • エブリスタ、グループ企業のジャイブより書籍出版事業を取得(gamebiz)

  • 「文喫」を手がける株式会社ひらく 初の海外における空間プロデュースを担当(日本出版販売株式会社)

  • 閉店した啓文堂書店狛江店が劇的な再オープン!そこで示された書店復活の可能性とは(篠田博之)(エキスパート - Yahoo!ニュース)

  • 世界の名作SF・ミステリをコミカライズ、世界じゅうの読者へ! 新コミックサイト「ハヤコミ」がスタート!(早川書房)

  • 読書バリアフリー、進展に期待 作家団体・出版団体が声明 「ハンチバック」契機(朝日新聞デジタル)

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# 編集後記

KADOKAWAのサイバー攻撃ですが、色々と情報が出てきています。起きた原因など、根源的なところの話は聞いたりしています。
今回の件は、ドワンゴ社の特殊事情もあるようなのですが、どちらにしろ最近ランサムウェア被害は各社で起きているので、各種対策はしておいたほうが良いです。

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老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。

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