米コストコが通年の書籍販売を終了 Publidia #164
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# 米コストコが通年の書籍販売を終了
日本でも店舗を展開するCostcoが2025年1月から通年の書籍販売を終了するとNewYorkTimesが伝えている。
通年の販売を停止し、9月から12月のホリデーシーズンのみ販売する方式に変更される。
報道によると、陳列の手間や返品作業などの負担が大きいとCostocoは認識していたとのこと。
Costocoは、書店ではなく、食品や日用雑貨品、衣料や電化製品など幅広く取り揃えている。
そうした場所での衝動買いで書籍は買われていたと思われる。
日本ではまだそういった動きは報告されていない。
日本と同様に、米国も書籍の売り場が厳しくなっている。
日本では、大手取次の日販が25年2月にコンビニのファミマ、ローソンの雑誌配本から撤退を予定しており、別の取次トーハンが引き継ぎを予定している。しかし、トーハン自体が配本の引き継ぎ開始可能な時期が25年7月を予定している。
日米とも、書籍雑誌の流通はずっと課題や悪いニュースが続いている。
最近、シェア型書店などの盛り上がりもあるが失われてる売り場を取り戻すほどにはなっていない。
商業出版では、すでに書き手がSNSのプロモーションに注力する必要性もあるが、販売機能やそもそも出版機能自体を自分で持つ選択肢も増えている。
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# 🗾 国内ニュース
注目ニュース
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先日報道されていた、めちゃコミックを運営するアムタスの親会社インフォコムの株式を帝人が売却するという件で動きがあった。
Bloombergが関係者の取材により、ブラックストーンが売却先に決定したと伝えている。また、帝人は本件に関して自社の発表ではない旨を公表しており、否定はしていない(Bloomberg) -
国民生活センターは、Webサイト上の「スタート」ボタンに似た広告に注意を呼び掛けた。広告と気づかずクリックし、意図せず海外事業者とのサブスクリプション契約が成立するトラブルが多発している(ITmedia NEWS)
多くの読者がこの広告を見かけたことがあると思うが、Metaの有名人をつかった詐欺広告と並ぶもしくはそれより悪質な広告である。プラットフォーマーも今までは、自分達のビジネスを守ることで言い訳をしてきたが、言い逃れもできない状況になってきていると感じる。
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朝日新聞社 24年3月期決算 連結 営業黒字を回復 購読料改定や不動産好調で(The Bunka News デジタル)
# 🌏 海外ニュース
注目ニュース
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News/Media Allianceは、Googleのニュースの不正使用と生成AIの拡大を調査するようFTC(米連邦取引委員会)とDOJ(アメリカ合衆国司法省)に要請した。GoogleのAI Overviewsはパブリッシャーのコンテンツを使用し、検索結果ページ内でユーザーに情報を提供することで、出版社へのトラフィックと収益を減少させていると主張。現状は一方的で不公平だと批判している
(News/Media Alliance) -
Xは、ユーザーが成人向けコンテンツを投稿することを正式に許可するルールを追加した。コンセンサスの取れたコンテンツを明示的にラベル付けすれば投稿可能となる。本規約は、AI生成の画像や動画も含まれる(TechCrunch)
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TikTokは米国ユーザー向けに中国親会社から独立したレコメンドアルゴリズムを開発中だとロイターが報じている。これは米国議会が求める禁止を回避するためだ(Reuters)
米国のTikTokは2025年1月19日までに売却するよう法律に求められており、それに対して米政府に反対し提訴している。また、このロイターの報道について否定をしているが、実際リスク回避のため本国のアプリと別のコードと分けるように準備しているのでは、と個人的には感じている。 -
G/O Mediaは、所有するメディアブランドGizmodoを欧州のメディア企業Keleops Mediaに売却した。G/O MediaのCEOは売却額は元の購入価格を大幅に上回る金額であったと述べた。Keleops MediaはGizmodoの全スタッフ雇用を維持し、米国でのブランド強化を図る予定とか語っている。G/O Mediaは以前から他のサイトも売却しており、広告市場の改善に伴い売上増加を見込んでいる。(The New York Times)
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# 編集後記
季節の変わり目で体調が悪いです。
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。
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