広告運用の転換期 Publidia #162
今週もよろしくお願いします。
🔸 お知らせ
本ニュースレターでは取材や執筆継続のために、サポートメンバーを募集しています。
# NYTの分析
人気のポッドキャストOff TopicでThe New York Timesの成功要因について分析している。
それぞれ1時間程度ある内容となっているが、とても参考になるので新聞社やニュースコンテンツを扱う人は必聴の内容となっている。
聴くのが厳しいという方は、有料になるがOff Topic Clubというコミュニティで要約記事が出ているのでそこをお勧めする。
NYTの成功について、勘違いしてはいけないのはWordleというゲームを買収したことが最大要因ではない。立てた戦略に従って買収したということである。
このOff Topicのエピソードを聴くことで、市場環境は違うが日本のどの新聞社が近い戦略を取れていたか、また現時点でその戦略から外れているかが感じることができる。
そして、日本の新聞社がサブスク機能を追加するだけは難しいということも理解できる。
📻 音声配信のお知らせ
だいたい週3回、Catalyst by Publidiaというポッドキャストを配信しています。
今週は、「ピッコマが欧州撤退、Webtoon市場はどうなるのか」「iOS18に組み込まれる噂の広告消去機能」というエピソードを配信しています。
Spotify、Apple Podcast、LISTENで聴くことができます。
# 広告運用の転換期
広告運用に関する厳しい実情を伝える記事が、デジタルマーケティング支援をしているLIFT合同会社のブログで公開されている。
この記事では主に以下のようなことが書かれている。
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メディアは収益を上げるために広告枠を増やしており、広告枠が過多であり、視覚的にも乱雑になり広告枠としても低下している
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配信面が増えてることで、どのサイトで配信されているか不明であり広告としての管理も困難になってきている
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SNS広告など配信先がはっきりしている広告枠も増えている
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GDNは今後Googleも注力しない可能性が高い
メディアに貼られている広告枠は、この書かれている過多な広告枠のことである。
広告主からすると、メディアに貼られている広告枠については難ありであると判断される可能性がある。つまりは、単価が上がる要素が低いということだ。
当然、プレミアムな価格を維持するために媒体イメージの向上や、その他色々な方策をとっている媒体もあるが、広告運用側の視点として広告枠の運用で収益を上げていくのは難しいということだ。
こうした状況は、一気に状況が変わるより徐々に変わっていくものである。
わかりやすくいうと、徐々に単価が下降していく、茹でガエルということだ。
マネタイズ手段についても、サブスクが合う媒体と合わない媒体くっきり別れてくるので、新しいマネタイズ手段の開発や手売り広告の注力など、新しい選択肢の模索が必要になってきていると感じる。
# 🗾 国内ニュース
注目ニュース
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オールナイトニッポンのチーフディレクターを務めた石井玄氏がインタビューで、重要なことを語っている。視野を広くもち、自分の業界外も含めて物事を考える重要性も語っている(WWDJAPAN)
その他のニュース
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NHKネット配信「必須業務」に 改正放送法成立、視聴で受信料(共同通信)
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NHKのネット配信を「必須業務」に格上げ 放送法改正案が成立(朝日新聞デジタル)
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Twitterでなぜヘイトが放置されていたのか、どういう基準で削除されたのか、新証言で明らかに(SlowNews)
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キー局決算で見えた「TVerによる驚きの配信収入」 50億円規模の事業が3割も4割も伸びている(東洋経済オンライン)
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社会問題化するデジタルメディア上の詐欺広告に対する緊急提言(公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会)
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データは分析しただけでは終わらない、仮説を結び付けてアクションに落とし込め(マーケターの本棚|アドビ)
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文化放送「クローバー」が課金登録2万人を突破 4月スタートの配信プラットフォーム(産経ニュース)
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「いまは デジタル広告 の過渡期。10年後の未来を守るための行動を起こすときだ」:キヤノンマーケティングジャパン デジタルコミュニケーション企画部 部長 西田健 氏(DIGIDAY[日本版])
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独立性は保たれるのか…「官製フェイク対策」の下請け化要請にファクトチェック団体が反発(SlowNews)
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ネットメディア存続の危機 どの広告技術が収益維持の救世主になるか(日経クロストレンド)
# 🌏 海外ニュース
注目ニュース
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TikTokと米司法省は、親会社ByteDanceにアプリを売却させる新法に対する法について、迅速な裁定を米控訴裁に求めた。バイデン大統領が署名したこの法律は、TikTokが売却されなければ米国での禁止を命じるもので、2025年1月19日が期限である。TikTokは法的闘争を続ける意向とのこと(Axios)
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Googleは、カリフォルニア州の新しい法案が可決された場合、米国のニュース業界への投資であるGoogle News Initiativeを中断する可能性があると警告している。この法案は、大手テクノロジー企業にニュースコンテンツのリンクに対する課税を導入し、その収益をニュースルームに提供するものです。Googleは、これが他の州にも影響を与える前例となることを懸念している(Axios)
その他のニュース
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WSJ編集長、出版社がAIの挑戦から身を守るには?(Press Gazette)
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パラマウント、アマゾンとメディア事業の提携拡大巡り協議-関係者(Bloomberg)
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Economist, Bauer, Tortoise、ロンドン視察でオーディオとポッドキャストの成功例を共有(INMA)
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Googleの新しいAI検索に警鐘を鳴らす新聞社、「壊滅的」影響を警告(CNN Business)
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USA Today、記事の一部をAIで生成、リークされたメモが示すもの(The Byte)
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サードパーティ Cookie の廃止が再延期されても、備えを怠らないパブリッシャーたち(DIGIDAY[日本版])
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ニュースパブリッシャーが収益源の多様化を競う中、Voxがサブスクリプションプログラムを開始(CNN Business)
# 📕 出版に関するニュース
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宝島社『steady.』8月に休刊へ 創刊から18年の歴史に幕…近年の社会状況変化で「一度役割を終了した」(ORICON NEWS)
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第2回 読書バリアフリー法とは(新文化オンライン)
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【書店危機】今必要なこと『ブックオフから考える』谷頭和希が提言する“せんだら需要”と“非画一性”(Real Sound)
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【決算】楽天ブックスネットワーク 純利益4.3億円超に(The Bunka News デジタル)
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日販が持続可能な出版流通実現へ、物流を抜本再編(物流の専門紙 カーゴニュース)
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【人事】日本文芸社 竹村響氏が社長に就任 吉田社長は退任(The Bunka News デジタル)
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サウジの翻訳マンガ出版社が日本法人設立 多言語化推進で読者獲得を目指す(アニメーションビジネス・ジャーナル)
# 編集後記
以前告知しましたが、5/30開催のDIGIDAYのイベントに登壇します。
登壇前に少し会場にいますので、もしご来場される方いたらお声がけいただけると嬉しいです。(終了後は予定がありすぐ離脱予定です)
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。
SNS
メディア
ポッドキャスト:アヨハタの金曜回帰φ瑠 / 平日回帰φ瑠 / Catalyst by Publidia
ニュースレター:Raisin On The Sylveine
コミュニティ:Discord
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