小規模パブリッシャーのチーム編成 Publidia #154
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# 小規模パブリッシャーのチーム編成
海外では小規模のニュースパブリッシャーが多く立ち上がっており、課金モデルやニュースレターモデルで成功し始めている。
NewYorkTimesが、そんな新興ニュースパブリッシャーの状況について書いている。
Sprouts of Hope in a Gloomy Media Landscape - The New York Times
「ユーザのニュース疲れ」「低調で不安定な広告市場」「プラットフォーマーからのトラフィック急落」の影響により、厳しい売り上げ状況となっている。それにより編集部が閉鎖や大幅な人員削減が行われている。
BuzzFeedやViceMediaのように大きく資金調達をして、苦しんでいったニュースパブリッシャーと対照的なアプローチでコロナ禍に生まれた新しいパブリッシャーがいくつか登場している。
PUCKとPunchbowlとThe Ankler.とSemaforである。The Ankler.に至っては自社サイトでの運営ではなく、ニュースレター配信サービスSubstackを使って運営をしている。
少数精鋭でコストを抑えたニュースレターで運営しているパターンが多い。
それらは広告中心に依存せず、有料購読やイベントなどの組み合わせで注力している。
具体的にそうした新しいパブリッシャーはどういった人材を置いているのか。
たとえば、Punchbowlでは当然プロダクトマネージャーも置いてるが、事業開発や収益担当の人材がそれぞれいる。他にも、グロース担当の人材など役割ごとに人材を置いている。
SEMAFORでは、SQLやPython、Google BigQueryを扱えるデータ分析人材の募集も行なっている。
先ほど挙げたようなパブリッシャーは少数精鋭とはいえ、メディアビジネスを運営する上で必要な役割を明確に定義して人材を確保してチームを作っている。
もし、事業開発や営業、開発ディレクションとデータ分析などが兼務が中心だとした場合、日々の業務を回していくことでいっぱいになっていく可能性がある。
また、データ分析が単なるGA4の読み解きだけで終わってないか、適切な人材が配置されているか。
人材配置はそうした視点で見直しをしているのも良いのではないかと考える。
# 🗾 国内ニュース
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# 🌏 海外ニュース
注目ニュース
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The Economistの展開するモバイル専用サービス「Espresso」が若い世代のユーザを獲得しているとPressGazetteが伝えている。
月7.9ポンド(約1,500円)で1日5本の記事や毎日配信のポッドキャストが読め、1日平均の購読者は21,775人を獲得している。紙面版は減少しているが、デジタル版は成長しており移行していってる。
若い世代獲得のために、SNSからの獲得を模索し、価格の調整などを行いユーザ獲得を仕掛けている(Press Gazette) -
米下院がTikTokを売却しなければ禁止する法案を可決した。それを受けて、米国のムニューシン前財務長官は14日テレビ番組で、TikTok買収のためにグループ結成することを表明した(日本経済新聞)
しかし、こうした米国外のアプリへの締め付けが実行されれば、今後経済的な緊張を生む可能性があるとAxiosは伝えている(Axios)
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米NYタイムズ、OpenAIの主張に反論 著作権訴訟で(日本経済新聞)
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New York Timesの独自アプリで展開する音声ニュースの新潮流(PressGazette)
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AIが活用するニュースをどう評価すべきか?出版社向けのチェックリスト(Poynter)
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Sensor Towerがdata.aiを買収(Sensor Tower)
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Media Briefing[日本版]:☕️ Cookie 終了でディスプレイ広告、リテールメディア、ストリーミングに起きること🤔(DIGIDAY[日本版])
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ニュースパブリッシャーが書籍出版、ワークショップ、教育コンテンツでどのように収益多様化させるか(The Fix)
# 📕 出版に関するニュース
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KADOKAWA・はてな 有料サブスク読書サービス「カクヨムネクスト」開始 作家の収益化目指す(The Bunka News デジタル)
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# 編集後記
先日、ポッドキャストの収録をしましたが、花粉症ぽい声をしていたので、自分は花粉症だと認識しました。
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにてディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスとブロックチェーンプロダクトに関わっていました。
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