「ニュース回避傾向」日本人は他国より傾向は低いが... Publidia #179
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# 「ニュース回避傾向」日本人は他国より傾向は低いが...
スマートニュース メディア研究所が2023年3月に第1回スマートニュース・メディア価値観全国調査を実施し、日本人のメディア接触との関係について調査している。
今回、その調査から日本人のニュース回避傾向についての分析記事が出ている。
冒頭では、ロイタージャーナリズム研究所が行っている調査から日本が他国よりニュース回避傾向の割合が低いが、年々割合が増えていることが語られている(年々割合が増えているのは、フィンランドをのぞいて他国でも起きている)
また、スマートニュースの調査では日本国内でのニュース回避傾向について深掘りして調査されている。
若年層が、回避傾向が強いという結果になっているが、個人的に興味をひいたのはニュースアグリゲーター(Yahoo!ニュースやLINE NEWS)が回避傾向あるなしに関わらず放送局、新聞社などのニュースサイトよりも利用率が上回っている点である。
この回避傾向がある人たちはあくまで、回避傾向があるだけでニュースを見ないわけではない。
自社のGoogle AnalyticsでPVだけを見ていても、こうした傾向のある人たちを理解するには材料が少なすぎる。
そして、こうしたレポートを見るだけでも、まだ解像度は高まらない。
こうした回避傾向がある人たちにどう届けるか、そして理解することが、今は読者とつながるきっかけになるかもしれない。
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# 🗾 国内ニュース
注目のニュース
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経済メディア「NewsPicks」は2025年度に本をテーマとした「BookPicks」を立ち上げる予定である。また、読書関連コンテンツやウェブ本棚サービスを提供し、出版社や書店と連携した企画も展開予定とのこと。これは書籍のプロモーションよりかは、著者や企業のプロモーション主体になるのだろうか(新文化オンライン)
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東洋経済オンライン編集長、NewsPicks創刊編集長を歴任した佐々木氏が代表をつとめるPIVOT株式会社の第4期 決算公告が出ている。しっかりと黒字を出している(官報ブログ)
しかし、今年からアプリを本格化しているから開発費やプロモーション費で来期以降は成長のための赤字を掘る可能性もありそうだ。
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聴く読書オーディオブックの利用拡大 新たな音声表現の可能性も追及(ORICON NEWS)
# 🌏 海外ニュース
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米Forbesの子会社が行っているパラサイトSEOについて分析されている。パラサイトSEOとは、サイトの権威を利用して多数のキーワードで検索結果上位に食い込む手法である。
また、記事では規模が大きくなっており子会社が親会社を飲み込むのではという言説もとなえている。MFAの偽装も以前起きていたことから、老舗メディアブランドでは何かが起きていると感じる(Lars Lofgren) -
1791年創刊の伝統的な新聞「The Observer」が、新興デジタルメディア「Tortoise Media」に買収されようとしている。Tortoise Mediaは、英紙タイムズやBBCの幹部を務めたジェームズ・ハーディング氏が2019年に設立した新興のネット系メディア企業である。
(MediaPost)(RTB SQUARE)(小林恭子 Yahoo!ニュース エキスパート) -
ニューヨーク・タイムズは、一部のポッドキャスト番組を有料化し、月額6ドル(約860円)で提供するサブスクリプションサービスを開始する。最新エピソードは無料だが、過去のエピソードは有料となる。新聞購読者は追加料金不要となっている。多様な(日本経済新聞)
多様な収益の確保につながるため、良い挑戦だと感じる。
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Metaのニュース禁止令がカナダのメディアをどう変えたか(digitalcontentnext)
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Cookieの混乱は結局、パブリッシャーにとって良かったのだろうか?(MediaMakersMeet)
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Viceが定期購読商品を発表、雑誌もリニューアル(ADWEEK)
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ワシントンポスト、Arc XP部門で54人解雇(Axios)
# 📕 出版に関するニュース
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DNP ホテルなど書店開業支援 第一弾は「風呂屋書店」(The Bunka News デジタル)
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少年ジャンプ+10周年!2025年春に「少年ジャンプ+展」開催、10大企画を発表(コミックナタリー)
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東洋経済新報社 代表取締役社長・田北浩章氏に聞く ガジュマルのような複合メディア企業になる(The Bunka News デジタル)
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出版業界の赤字企業率が過去20年で最大に 倒産・廃業も増加傾向続く(ITmedia ビジネスオンライン)
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# 編集後記
先日、元トーハンで明屋書店の再建を手がけた小島俊一さんの「2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からのメッセージ~」を読みました。
今年の5月ごろに発売の本だったのですが、発売してすぐ手に入らず、最近ようやく書店で買いました。
業界関係者のインタビュー集なのかと思いましたが、書店や取次の危機についてかなりの解像度で書かれている本になっています。残念ながら、大手取次2社から直接インタビューはできてないのですが、書店や出版社、業界団体などの重要な人物からも話をとって、解説もわかりやすくなっています。
この書かれている内容の解像度で理解している人は少ないと感じるのと、また出版業界の抱えてる人材部分についての課題指摘も周辺にいる立場としては同意できる内容でした。
書店業界も工夫しないと生きていけない、その中で工夫して言ってる書店はなんとか生き残っていってることや、2大取次の方向性も理解しやすい内容になっています。
そして、出版社もいつまでも見て見ぬ振りできないほどの問題になってきていってます。自社の事業や雑誌ジャーナリズムの継続にも関わるので、主体的に関わる必要があると感じます。
老舗の出版社講談社のグループ会社であるKODANSHAtech LLCにて総合メディアのディレクターとして働いています。複業として、ウェブメディアのマネタイズ支援やデータ分析なども行っています。以前は読書管理サービス ブクログの事業責任者、メディアドゥでマンガサービスに関わっていました。
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