出版社はクリエイターエコノミーとどう関われば良いのか?海賊版サイト対策への期待 Publidia #01
新たにtheLetterからayohataによるニュースレターを発行することとなりました。
新たに、ニュースレターの名前をつけました。「Publidia」という名前です。
よろしくお願いします。
本ニュースレターは、普段noteのマガジン機能を使って書いている「メディア関連ニュースまとめ」を起点に、少し深めにニュースの解説や感じたことを書いていくニュースレターになります。
ニュースレターって前からメールマガジンとどう違うのか自分でも理解をしていませんでした。
調べてみましたら、この配信を行っているサービスtheLetterを運営する濱本さんのEssays by Itaruの#6にわかりやす書かれています。 そこから引用する形になりますが、自分の中では、以下のフレーズが一番しっくりきました。
まとめると、メディア目線でいうとニュースレターという独自コンテンツにしているかどうか、読者目線でいうとそのニュースレターコンテンツを得たくて登録したのかどうか、がメルマガなのかニュースレターなのかの判断軸になるかと思います。
どうしても、メールマガジンはトラフィックを生み出す装置と認識されていますが、そうではなく完結した独自のコンテンツとして成立していることが重要とのことです。
この「Publidia」でもコンテンツとして単独で読める内容を目指して書いて行きたいと考えています。
ショートサイズの内容になるとは思いますが、まとまったら個別のnoteで書いていくかもしれません。
どうぞよろしくお願いします。
クリエイターエコノミーと出版社の関わり方のヒント
クリエイターエコノミーというのを聞いたことがある人は多いと思います。
先日、Youtuberやミュージシャンそのほかクリエイター向けサービスのPateron(パトレオン)が大型調達したニュースがWSJによる報じられました。
wsj.com/articles/patre… WSJ News Exclusive | Patreon’s Valuation Triples to $4 Billion as Creators and Fans Flock to Platform The pandemic proves to be a catalyst for the creator economy www.wsj.com
クリエイターエコノミーは広がっていて、日本で代表的なサービスはnoteだと思います。その他、クラウドファインディングのCAMPFIREもそうです。
インターネット、スマートフォンの発達によりクリエイター自身がファンに直接繋がれるようになってきました。私は、こうした動きは止めることはできないと見ています。
これは、出版社やテレビ局などにとっては少し怖い動きかもしれません。
この話題で、自分として印象に残っている事案を紹介します。
クリエイターに直接イラストやボイスなどをリクエストできる「Skeb」というサービスがあります。その「Skeb」は2021年2月に老舗出版社の実業之日本社に買収されました。
実業之日本社は経済産業省が実施するコンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)に参加しブロックチェーン技術を活用した海賊版対策などの実証実験も行っており、チャレンジングなことも行っています。(開示:本実験で私はマンガ図書館Zの立場として関わっていました)
「Skeb」の買収について運営主のなるがみさんがTwitterで興味深いことを書かれていました。
原則個人鑑賞限定のSkebがなぜ流行っているのか、M&Aのご提案を頂いたどの企業の経営陣も首を傾げる中、実業之日本社の岩野社長だけは「ああ推しね〜」と一瞬で理解されたから。
岩野さんはこの道30年の凄腕編集者で最新技術にも理解があり、Clubhouseで一緒に遊んでいます。
このツイートで語られている岩野社長とはお会いしたことがありますが、技術への理解やリスペクトがある方だと感じています。
今、出版社やメディアがとったほうが良い行動としては、技術や理解へのリスペクトも当然ですが、こういったサービスのM&Aも行っていったほうがよいと考えています。ただし、技術やサービスへの理解がない中でのM&Aにはかなり難しいと思っています。
最悪の場合、高掴みや減損など財務への痛手も負う可能性もあると感じています。
そのため、サービスを「技術」「ユーザ体験」「ユーザの特色」などいろいろな切り口で評価できる人材の育成も中長期的に必要だと思います。
単純にユーザ数を見てのM&Aは控えた方がいいと思います。